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7月大歌舞伎 [演劇、ミュージカル、Jazz]

 7月の歌舞伎を見に行った。
友達(歌姫)が、海老蔵のファンなので、海老蔵と玉三郎という組み合わせは、
「美男美女の組み合わせ、絶対見なくちゃ」って。

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 実にあでやかでしょ。
これは舞台写真。1枚500円也。見ていたら、友達が「買ってあげるから」と、
母のようなやさしい口ぶりで買ってくれた。

 出し物は、「義経千本桜、川連法眼の場」 
玉三郎の静御前が、鼓を鳴らすと、狐の忠信(海老蔵)が、寄ってくる場面。

 実は、この鼓は、狐忠信の母の皮でできているので、母恋しで、鼓に吸い寄せられる
狐忠信。ちゃんと狐っぽい顔つきの海老蔵。母恋しのけなげさがしぐさに表れていた。

 鼓が母であることを静御前に明かすと、母への孝行心に心を打たれた義経は、
静御前を守った功にと、鼓を狐忠信に与える。
狐忠信は鼓を抱えて宙空へと飛び去る。 人気の宙吊りの場面

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 「うれしいな」 という表情で、宙を舞う狐忠信。

 この演目を最初に見た頃は、まだ、宙吊りが取り入れられてなかった。
猿之助が、初めて宙吊りの演出をし、評判になった。
今回、海老蔵は、猿之助に直々に指導を受けたそうだ。

 狐なので、身のこなしが軽く、鴨居から飛び降りて現れる場面もあるが、
そんな高い所からも難なく、勢いをつけて飛び降りてくる。
「年とったらできない芝居」と思った。

 席が前から4番目の花道の隣。
花道を役者が通るたびに思わず、肩をひいてよけてしまうほどの迫力。

 歌舞伎を見に行っても、記事にしないことが多いけれど、これはすばらしかった
ので、書くことにした。といっても、7月31日まで。

 昼の部だったので、歌舞伎座からわりあい近い東武ホテルのティールームで
お茶。アフタヌーンティーセットを2人でわけた。
ここは、ゆったりとしていて、静かなので、結構おすすめ。
携帯のぼけぼけ写真ですが、ま、こんな感じってことで。
ゼリーとチェリータルトとオープンサンド。

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コロー展 [展覧会(西洋画)]

 西洋美術館で開催中の「コロー展」を見に行った。

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 ↑これはチケット。
「真珠の女」というこの絵が、パリ万博で評判になり、「コローのモナリザ」と
言われたそうだ。セピア色の凛とした女性。

でも、私にとって、コローといえば、この「モルト・フォンテーヌの思い出」

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 高校3年の時、本屋さんの美術コーナーで気に入って買った複製画。
幻想的な景色の森と池がすてきだったのと、ちょっと高い位置にあるものに
手を伸ばして取ろうとする、この動作が受験生の目標にぴったりに思えた。
だから、机の前の位置に額にいれて飾っていた。

 そんな出会いがあるので、コローは、私にとっては気になる画家。
ルーブル美術館でも、コローの場所につい長居をしてしまう。

 96年、パリのグランパレで、大きな「コロー展」があった。
そこで初めてコローの作品を年代順に見、若い頃、イタリアに留学をし、
リアリズムの画法を身につけたと知った。
見慣れている風景画だけでなく、人物画もいいなと思った。

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 小さい頃から絵が好きだったコローだけど、父親から、家業を継がず、画家に
なってもよいという許しが出たのが26歳のとき。画家としては遅いスタート。
↑は、最初のイタリア留学、30歳の作品。「ファルネーゼ庭園から見たコロセウム」
左側に見えるのが、コロセウム。

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 「ティヴォリ、ヴィラ・デステの庭園」
これは2度目のイタリア留学での作品。
木の描き方が、リアリズムではなくなり、後の印象派に影響を与えた。
中央の少年は、後からアトリエで描き加えたもの。

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 「ヴィラ・メディチの噴水盤」
木の陰がカーテンのように両側から覆い、奥の遠景に光があたっている構図は
ユニークで、後に、この構図をまねて、ドニが同じタイトルで、もっと装飾的に描いている。
ピンク系のモダンな色合いのドニの絵が、コローと比較できるよう隣に展示してあった。

コローは、パリの郊外、ヴィル・ダヴレーの父親の別荘に住んで、近くの森を描いた。
 [右斜め下] 「ヴィル・ダヴレー、水門のそばの釣り人」

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 [右斜め上]「ヴィル・ダヴレーのカパス邸」。村内美術館所蔵の作品。
木の陰がみごとに道に映っている。

 写真はないが、「ヴィル・ダヴレーのあずまや」という縦長の大きな作品も
緑がいっぱいで、清々しい空気が伝わってきそうな作品だった。

 これだけたくさんのコロー(96点)を一挙に見れて、とても満足だった。
コローの風景画と対比させるために、他の作家の同じような場所での風景画を
配してあるのは、新しい試みであろう。しかし、気が散るから、嫌だという人も
いるのではないかと思ったが。。[失恋]

★下で、コメントをくださってるbonheurさんの「コロー展に行く」、感想を交えながら
書いていらして、おもしろいので、おすすめです。


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松岡美術館 [日本の美術館]

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  松岡美術館は、東京の港区白金にある実業家松岡翁のコレクション。
この一等地は、松岡翁の私邸だったそう。

ロビーの窓からは、隣接する自然教育園の大きな木々が見え、東京とは思えない
緑に囲まれた場所である。
これはパンフレットの写真で、たぶん冬。今の季節は、木の緑が濃く、さわやか。

  ここは、かなり前にとらionさんのブログ記事で見て、行きたいと思っていた。
隣の自然教育園が、大好きな場所なのに、松岡美術館には気づいていなかった。

  自然教育園は、平安時代の豪族の館で、江戸時代には讃岐藩の下屋敷、その後、
宮内庁の御料地だったことから、広い場所に自然がそのまま残され、古い樹齢の
大きな木々や湧水池、天然記念物がたくさんあり、珍しい鳥の声も聞こえてくる。
ここを散歩していると、数百年前もこうだったのだろうなぁと思えてくる。

 まずは、「古代オリエント美術の部屋」
照明が適度に落としてあって雰囲気がでる。こじんまりしていて、見やすい。
[右斜め下]
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 次は、「現代彫刻」の部屋。[右斜め上]
ヘンリー・ムーアの作品が3つ。これは「台に座る母と子」

 ロビーに、ケースにはいって飾られていたブロンズの彫刻は、
ディエゴ・ジャコメッティの「猫の給仕頭」、愛嬌があって、かわいい!

 開催中の特別展は、「フランス近代絵画展」

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ルノーアル「リュシアン・ドーデの肖像」
「風車小屋便り」を書いたアルフォンス・ドーデーの息子の肖像画。


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シャガールの「婚約者」。この絵を気に入ったことから、松岡翁は、西洋絵画の
コレクションを始めたそうだ。


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エドモン・クロッスの「母と子」

他に、モディリアーニ、キスリング、ピカソ、フジタ、ユトリロ、ローランサン、
モネ、シスレー、ピサロなどの作品が展示されている。


 日曜のお昼頃だったのに、入場者は数名。し~んと静まりかえっていた。
雨もようで、「駐車場3台分あり」だったので、車で行った。
美術館には、カフェがないので、近くの都ホテルで、中華ランチ。
私が「牛肉細切りピーマン炒め」で、友達が「豚肉とゴーヤ」、
これにスープと春雨サラダ、ザーサイ、ごはんで、2200円。

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 窓から雨の庭園を眺めながら、ゆったりとしたひと時だった。


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