SSブログ

ボストン美術館 浮世絵名品展 [展覧会(日本の絵)]

 世界中で一番たくさんの浮世絵コレクションを持っているのは、ボストン美術館である。
私は、昨夏、「江戸の誘惑」という企画展で、見ることができたが、普段は展示していない。

 そのコレクションが、今回、初めて日本に里帰りして、江戸東京博物館で特別展。
江戸東京博物館は遠いし、ボストン美術館での展覧会を見たから、いいかなぁ、、と
思っていたのだが、匁さんの記事を読んで、やはり行きたくなった。
先週、雨の日曜の午後、銀座まで行ったので、両国に足を伸ばした。


会場では、年代順に絵が展示されていた。
① 初期:
 鳥居清倍 『二代目藤村半太夫の大磯の虎』
典型的美人画。半太夫は若女形の役者。帯を前に締めている。

 Bkiyonaga.JPG

 奥村政信
『駿河町越後屋呉服店』 1745年
駿河町は現在の日本橋室町。越後屋呉服店は、三越の前身。
繁盛振りが伺える。「定 現金掛値なし、、、」の張り紙が鴨居に下がっている。

Bechigoya.JPG



② 鈴木春信   春信は多色刷りの錦絵で一世を風靡した。
 『(見立三夕)定家 寂蓮 西行 』 

B3nin.JPG

定家 寂蓮 西行の秋の夕暮れを詠んだ歌を後ろにおき、3人に見立てた
美女を描いたもの。3枚に裁断されることを想定して、下にそれぞれ署名がある。
しかし、裁断前の状態で現存している大変珍しい作品。

 鈴木春信 「女三の宮と猫」
源氏物語の女三の宮と猫を当世風に描いたもの。
 猫が、かわいく描かれてないのは。。。
B3nomiya.JPG

③ 錦絵の黄金時代
 喜多川歌麿が7点あった。いつ見ても歌麿の美人画は美しい。

 写楽 『二代目嵐龍蔵の金貸し石部金吉』
  BsyarakuS.JPG
 

④幕末 
 歌川国政 『市川蝦蔵の暫』      『梶原源太(三代目坂東三津五郎)』
Bebizou.JPG   Bmitugorou.JPG

海老蔵は、昔は、蝦蔵と書いていたそうだ。
「暫」(しばらく)は、海老蔵の襲名披露でもやった成田屋のお家芸。
三津五郎も、今の三津五郎と顎のあたりが似ている?
歌舞伎役者の絵は、歌舞伎舞台を思い出しながら見るとおもしろい。

葛飾北斎 『さらやしき』
Bsarayasiki.JPG

これも歌舞伎の「番町皿屋敷」にヒントを得て書いたものだろう。
お化けのおきくさんが、こわいというよりデザイン化されて、ユーモラス。


北斎 『富嶽三十六景 山下白雨』 1831年
おなじみの絵だが、色が実に鮮やかで驚かされる。
Bakafuji.JPG


 [ハートたち(複数ハート)]かなり混んでいた。
ていねいに見るのがむずかしかったので、図録を買って帰った。

この展覧会は今日(11/30)までだが、この後、第二段、第三段も企画されているそう。


nice!(43)  コメント(41)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アート

マホメット2世 [オペラ、コンサート、バレエ]

mahometto1.JPG

 ロッシーニ・オペラ・フェスティバル日本公演を見に行った。
会場は渋谷の東急、オーチャードホール。オペラ劇場ではないので、舞台が少し狭い。

 私が見た演目は「マホメット2世」。
歴史ものなので、舞台は絢爛豪華。衣装も美しい。

 15世紀、ヴェネツィアの植民地モンテネグロは、世界制覇をめざすマホメット2世率いる
オスマントルコ軍に攻め込まれた。総督と重臣ガルボは捕えられ、マホメット2世の前に
突き出される。「父を助けてください」と願い出た総督の娘アンナは、マホメット2世を見て驚く。
突然姿を消した恋人ウンベルトだったのだ。マホメットは身分を隠して敵地に住み、ウンベルト
と名乗っていたのだった。
マホメットの屋敷に連行され、妃となるよう説得されるアンナだったが、父を、祖国を、
宗教を捨てるわけにはいかず。。。

mahometto.JPG

 

mahometto2.JPG

 日本初上演なので、聴いたことのあるアリアがないが、アンナ役のソプラノが豊かな
声量と表現力でみごとだった。
 父親がテノール、部下が男なのにメゾソプラノ、マホメットがバスという振り分けに
最初違和感があったが、重唱をきいていて、これでいいのだと思った。

 プラハ室内合唱団の合唱も上手で、オペラの質を高めていた。

 ヴェネツィアはイタリアなので、カソリックのキリスト教。マホメットのトルコはイスラム教。
オスマントルコがヴェネツィアに攻め入る場面では、兵士が大きな十字架に縄をつけて
引きずり倒し踏みつけることで、勝利を表していた。これを見て、数年前のイラクで、
民衆がフセインの像に縄をつけ倒していたのを思い出した。時の権力者を倒す時の
伝統的方法?と思った。

 歌のうまさ、演技のすばらしさ、演出、舞台装置、衣裳、すべてが一級品だった。
アリアの長いところでは、寝そうになってしまったけど。。

 ☆ ロッシーニと、オペラ・フェスティバルに関しては、もうひとつの演目「オテッロ」を
ご覧になったdukeさんがくわしく書いていらっしゃいますので、そちらを参考になさってください。


nice!(34)  コメント(22)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アート

乾杯はシャンパン [シャンパン・ワイン・ビール]

 東京郊外に住むZが、近くの一橋大学のタイ人留学生のホストファミリーになったので
、「歓迎会をするから来てよ。タイへ行ったことあったでしょ。」
と、言われても、私がタイへ旅行したのは、何十年も前のこと。
とりあえず、乾杯用に自分の好きなシャンパン「ルネ・ジョリィ」を持って行った。
食卓には、高島屋で材料を調達したという高級おでんと、お寿司。

ReneJoly.JPG

 ホームステイではなく、住まいは大学の寮。週に2,3回夕飯を食べに来るとのこと。
留学生は文部科学省から1ヶ月20万円支給され、寮だから、結構らくに暮らせるので
希望者が多く、試験が大変だったと言っていた。
かなり上手な日本語で、「タイではどこに行きましたか?」ときかれたりした。


  
  親友歌姫のリサイタルが、サントリーホールであった。
関係者21名の打ち上げは、ANAホテルのカジュアルレストラン「カスケード」。
シャンパンで乾杯。
コース料理なので、スープのあと、「早く次、来ないかなぁ」と末席の2名。

ANAHotel2.JPG

 翌日、歌姫から電話。「昨日フレンチだったから、中華に行こう」
赤坂の維新号に行く。隣のプリンスホテルのライトアップがきれい。
Akapri.JPG

「リサイタル手伝ってくれてありがとう。おごるから何がいい?」
「上海がに」

「食べやすいのは、姿のままよりこちらでございます、との甲羅蒸し」
SKani.JPG

ものすご~~~く、おいしかった。カニの卵と身、生姜酢を少しかけると渾然一体となって。。

次、「ふかひれとカニのスープ」
Soup.JPG

ここでの「ごくろうさま」の乾杯は老酒。牛肉と黄韮の炒めは写真撮り忘れ。
シュウマイも最後の1個で写真。海老焼きそば1人前をシェア。
syuumai.JPG  Ebiyakisoba.JPG

desert.JPG

デザートは、あつあつの胡麻団子。
お酒がきいたゼリー&ミルク。

ごちそうさまでした。


nice!(38)  コメント(32)  トラックバック(0) 
共通テーマ:グルメ・料理

Vinorio ヴィノリオ [レストラン(イタリアン、スペイン)]

 銀座のイタリアン「VINORIO ヴィノリオ」は、壁画家「福井洋一」さんの絵が
正面にかかっている店。
横の壁面には、洋一さんの奥さまで、イラストレーター&料理研究家のメイコさんの
イラストがある。    開店して1年足らずのきれいな店。

vinorio4.JPG

 このお店のオーナーが、福井御夫妻の絵を気に入って、「この壁面に絵を」と、
御注文。そして、絵が描かれていく過程を洋一さんのブログで見ていたので
ぜひ、行きたいと思っていた。

 こちらがメイコさんのイラスト。
やさしくて、お茶目な感じで、生き生きと。他に2枚、計3枚が壁面を明るくしていた。

VinorioMeiko.JPG

 私は洋一さん(So-netではplotさん)のファンタジーな世界の絵が好きで、自分の部屋に
かけている。(どんな絵かご覧になりたい方は、こちら。) 

 ここでの食事の日、写真を撮り忘れ、気づいたときは、もうお皿がこんな。。
「食べかけなんてお行儀悪いわね」って言われそうだけど、、。
ワインは、ボトルで「ドンナ・フガータ」 DONNA FUGATAのVigna di Gabri

Vinorio1.JPG

最後のお皿は、チーズ。
ワインは、モンテ・ヴェルナルディ(MONTE BERNARDI) のサエッタSA'ETTA
Vinorio2.JPG  VinorioVin1.JPG

 写真がこれしかなかったので、記事にするには、、、とお蔵入りだったら、yk2さんが
ご紹介記事を書いていらっしゃるので、くわしく知りたいかたはそちらをどうぞ。

 


 同じく、ちょっと古いレストラン写真。
この夏、ボストンで友達が、「いいお店だから」と連れていってくれたイタリアン。
ヴィクトリア朝の生活(ロングドレスの女の人たちの時代)を描いた大きな絵が、
4枚もかかっていて、シックなインテリアになっていた。
混んでいる店だったので、写真が撮りにくくて、奥にある絵、見えますか?

Boston4.JPG


 お料理が、運ばれてきたところの写真だけど、アスパラが無造作。
日本だったら、揃えて置くでしょ。
バターソースで上にパルメザンチーズが散らしてある。
横の皿は、3種のチーズのラビオリ。トマトソースがかかっていた。

海老のガーリックバターソースは、真中にトーストしたフランスパン。

BostonItarian.JPG

BostonItarian2.JPG

BostonItarian3.JPG

 おいしかったけど、これなら私でも作れると思っちゃうイタリアン。
VINORIOさんとは、比べ物になりません。


nice!(42)  コメント(27)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アート

鎌倉大谷美術館 [日本の美術館]

 鎌倉の大谷美術館に行った。
ホテルニューオータニの前会長、大谷米一氏の別邸を美術館にしてコレクションを見せている。
以前にバニラさんの記事で見て、ぜひ行きたいと思っていた場所。

 鎌倉駅を降りて、記憶の地図をたよりに歩くと、帰りに寄る予定の鎌倉珈琲香坊
見つかった。「せっかく見つけたんだから、さきにお茶にしよう」

kamakuracafe.JPG

 鎌倉で有名な和菓子店のお菓子つき。800円。

 お客さんが誰もいなかったので、「どちらからいらしたんですか?」と
マスターにきかれた。「東京の××」。「あ~、そちらのかたや千葉のかたも
最近は、電車が便利になったんで、よくいらしゃるんですよ」
美術館のことをいろいろ教えていただいて、言われたとおり歩くと、ほんの数分で
門の前についた。

kamakura5.JPG

 坂を上ると、玄関が見えた。

kamakura2.JPG

kamakura4.JPG

 玄関の正面は、加藤唐九郎の陶板の大作。「白雲青松」
白い上の部分が雲、下の青緑部分が松。

 別邸なので、こじんまりした造り。
一階に八畳ほどの居室があり、床の間の掛け軸は、富山県出身の作家の絵。
創業者の大谷米次郎翁が、富山県出身であったことを思い出す。
同郷の作家をひいきにしていたのであろう。

 二階へ続く階段脇には、ボナールの大きな縦長の絵。「公園の中のこどもたち」
緑濃い公園で遊ぶ子供たち。階段脇という位置だからだろうか暗く見えた。

 ここは、デュフィ、ヴラマンクを数点持っていて、季節ごとに展示品の入れ替えをする。
今のテーマは、「秋の彩り」で、横山大観、前田青頓、杉山寧など、日本画もあった。

 ショップで買ったのは、絵葉書3枚と一筆箋。
絵葉書は、デュフィの「赤いヴァイオリン」。
Dufyrouge.JPG

 デュフィの「オーケストラ」。
よく見ると、こんなにチェロが多いオーケストラ、、、実際にある?

DufyjauneS.JPG

 ヴラマンクの「赤い屋根のある風景」
Vramanks.JPG

 前田青頓の「秋草」の一筆箋。銀色の月に秋草。まさに琳派スタイル。
Otaniakikusa.JPG

 バニラさんが書いていらしたように、すいていて、静か。自分の足音だけが響く。
美術館というより、絵のたくさんあるお宅を訪問したという感じだった。

デュフィの絵がもっとご覧になりたい方は、前の記事「デュフィ展」をどうぞ。


nice!(45)  コメント(43)  トラックバック(0) 
共通テーマ:アート