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映画のあと礼華(中華料理) [レストラン(中華)]

1月3日のこと。「ダーク・ウォーターズ」という映画を見に行った。
日比谷のシャンテ・シネでの短館上映だった。

映画の後の食事は、映画館に近い日比谷ミッドタウンの中華「礼華」にした。
きれいなお店で感じがいい。
私もM子さんも好き嫌いが多いので、コースでなくアラカルトで、組みたてて
頼む。前菜代わりエビ餃子、春巻き。海鮮と野菜の炒め、ふかひれ姿煮、
黄ニラと牛肉の炒め、ネギとチャーシューのつゆそば。
紹興酒をロックでレモンを絞って飲むために注文したレモン。
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あっさりめの味付けで、どれも美味しかったが、エビの餃子がすり身も入っていて
ボリュームがあり、次にまた頼もうと思う美味しさだった。




映画は、「ダーク・ウォーターズ」

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ダーク・ウォーターズ、つまり「汚染された水」。
巨大企業とは、大手化学メーカー・デュポン。
デュポンの製品テフロンは画期的な発明で、莫大な利益をもたらしたが、製造過程で出る
廃棄物が土壌を汚染し、汚染水となり、何千人ものがん患者を生み出した。
この問題と20年間、真っ向から向き合った弁護士の話なのである。


裁判が長期化することは知っていたが、実際に時間の流れを映像で見て行くと
その長い年月、重圧の日々をひしひしと感じる。相手は巨大企業デュポン。
当然、敏腕弁護士を立ててくるし、嫌がらせもある。

これは実話で、2016年、ニューヨークタイムス紙日曜版に掲載された。
これを読んだ俳優マーク・ラファロが映画化権を買い、自らプロデュース、
主演。監督トッド・ヘインズ。
実話ゆえ、重苦しい場面が多いが、弁護士の妻役のアン・アサウェイが美しい
ので、ほっとする。

舞台は、ウェスト・ヴァージニア。私の好きな「カントリー・ロード」の
曲が流れる。
ある日、弁護士のもとに、ウェスト・ヴァージニアの田舎町に住む祖母の知人という
農夫が来て「牛が次々死んでいくので、しらべてほしい」という。行ってみると、
町の人たちの歯が黒い。亡くなった牛は肝臓が肥大している。川の上流にデュポン社が
廃棄物を捨てている。との事実がわかったので、デュポン社に対して裁判を起こし、
資料提出を求めると、何十もの段ボール箱が送られて来る。それを丹念に調べ、
有害化学物質PFOAの存在をつきとめるが、当時は、全く知られていない物質だった。
(日本でも2017年にPFOAは発がん性物質と認定された)

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PFOAについて科学者にたずね、 膨大な資料をずっと当たっていくうちに、
デュポン社は1954年に既にPFOAに気づき、動物実験、人体実験をして1961年
に発がん性、奇形児が生まれることもあるとわかっていたが、隠していた、と判明。
それを暴くために、川の近くの住民7万人の血液検査をして政府の医療機関に
関連性をを調査してもらう。ところが結果が出たのは、なんと7年後だった。
何度問い合わせてもデータが膨大なので、と、結果がなかなか出ない。その間、
町の人たちは、亡くなって行く。弁護士はお金もなくなって子供の教育資金にも
困るようなる。命を狙われた時もあり、ストレスから敗血症で倒れ入院。支える妻。
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7万人のデータ調査結果から、PFOAが発がん性物質と認められ、ついに裁判所は、
デュポン社に対し史上最大の賠償金6億7千万ドルの支払いを命じた。裁判の開始
から20年後のことであり、今も個別の賠償請求裁判は続いている。
環境庁は、PFOAを有害物質と認定、使用禁止とした。

 アメリカでの公開は2019年。日本では2021年12月。しかも単館上映。
大企業が汚染物質を隠ぺいするという実話の映画は、チッソの
水俣病を取り上げた「MINAMATA」も同じで、ほぼ同時代である。
cocoさんの映画解説参照

昨年、見た映画は、「MINAMATA」だけ。そして今、これを見て、コロナ禍で
恐る恐る映画館に行くからには、「良い映画を」と思ってしまう。
ずっと見てきた007シリーズも3時間以上かかるのでは、、と行かなかったし、
娯楽映画を心から楽しむ余裕がない状況を感じる。


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