ギュスターブ・モロー美術館 [☆彡Paris 美術館]
ギュスターブ・モロー美術館は、有名なデパート「ギャラリー・ラファイエット」
から歩いて15分くらいで、モローの邸宅をそのまま美術館にしているので人気がある。
から歩いて15分くらいで、モローの邸宅をそのまま美術館にしているので人気がある。
何年か前にパリに一緒に行った友達は、モロー美術館特集が載っているJALの機内誌を
「ここ、また行きたいわね」と手紙を添えて、送ってくれた。
今回は、行った(次の記事予定)美術館があっけなく終わったので、ここに来てみた。
モローの邸宅だったので、住宅街にある。
古き良き時代のパリという感じの石畳の緩い坂道を上るとモローの看板。
玄関を入ると、すぐに階段が見える。この螺旋階段はモローの設計だそう。
階段の周りにも絵がびっちり架けられている。
階段を上がり、2階のモローの居室だった部分をさらっと見た後、
さらに階段を上がると、3階、4階は吹き抜けになっている大展示室。
モローの絵は大きいものが多い。中でも、中央にある正方形の絵「求婚者たち」
が最大。この写真では絵のようすがわからないと思うが、トロイ戦争の英雄
オデュッセウスが戦いから帰ったところ妻に求婚する男108人が屋敷に上がり
込んでいたので、怒り狂い矢を放っている場面。中央、戦いの女神アテナは、
白い光に囲まれている。屋敷は、パルテノンふうで豪華。ストーリーを知って
いて見ると、神話の絵は面白い。
オデュッセウスが故郷に帰る旅は何年もかかった。途中、海では、美しい歌声で
航海中の人々を誘惑し、海に引きづりこむセイレーンの誘惑にも負けなかった。
「セイレーン」
「ここ、また行きたいわね」と手紙を添えて、送ってくれた。
今回は、行った(次の記事予定)美術館があっけなく終わったので、ここに来てみた。
モローの邸宅だったので、住宅街にある。
古き良き時代のパリという感じの石畳の緩い坂道を上るとモローの看板。
玄関を入ると、すぐに階段が見える。この螺旋階段はモローの設計だそう。
階段の周りにも絵がびっちり架けられている。
階段を上がり、2階のモローの居室だった部分をさらっと見た後、
さらに階段を上がると、3階、4階は吹き抜けになっている大展示室。
モローの絵は大きいものが多い。中でも、中央にある正方形の絵「求婚者たち」
が最大。この写真では絵のようすがわからないと思うが、トロイ戦争の英雄
オデュッセウスが戦いから帰ったところ妻に求婚する男108人が屋敷に上がり
込んでいたので、怒り狂い矢を放っている場面。中央、戦いの女神アテナは、
白い光に囲まれている。屋敷は、パルテノンふうで豪華。ストーリーを知って
いて見ると、神話の絵は面白い。
オデュッセウスが故郷に帰る旅は何年もかかった。途中、海では、美しい歌声で
航海中の人々を誘惑し、海に引きづりこむセイレーンの誘惑にも負けなかった。
「セイレーン」
モローは裕福な家庭に生まれ、幼少のころから神話の世界に親しんでいた。
画家として、早くから認められ、23才の時には、フランス政府から注文を
受けるほどで、後年には官立美術学校の教授も勤めた。生活のために絵を
売る必要がなかったので、手許にあるたくさんの絵を見せるため、家を
美術館にするようにと遺言をし、ルオーが初代館長となった。
だから、この美術館は、所蔵品が多く、所狭しと絵が架けられている。
左:「レダ」 レダに言い寄る白鳥に化けたゼウス
右:「プロメテウス」ギリシャ神話 プロメテウスは、人間に「火」を与えたため
ゼウスの怒りを買い、山の岩に繋がれ、ハゲタカに身体を啄ばまれる罰を与えられた。
画家として、早くから認められ、23才の時には、フランス政府から注文を
受けるほどで、後年には官立美術学校の教授も勤めた。生活のために絵を
売る必要がなかったので、手許にあるたくさんの絵を見せるため、家を
美術館にするようにと遺言をし、ルオーが初代館長となった。
だから、この美術館は、所蔵品が多く、所狭しと絵が架けられている。
左:「レダ」 レダに言い寄る白鳥に化けたゼウス
右:「プロメテウス」ギリシャ神話 プロメテウスは、人間に「火」を与えたため
ゼウスの怒りを買い、山の岩に繋がれ、ハゲタカに身体を啄ばまれる罰を与えられた。
左:「出現」ユダヤのヘロデ王の義理の娘サロメ、祝宴で客の前で踊った褒美に
ヘロデ王の再婚をとがめ牢に入れられている預言者ヨハネの首を所望。首が
出現したところ。それまでの画家は首が皿に載って運ばれてくる形で描いていたが、
突然、首だけが出現するところが、象徴主義のモロー。モローの代表作の一つで、
サロンに出品され好評だった絵。背景の壮麗な宮殿も丁寧に描かれている。
オルセー美術館の同名の作品は、背景が小さめでサロメが大きい。
右:「踊るサロメ」入れ墨姿で踊るサロメ。横に立つのは従者で中央後ろにヘロデ王が
見える。
ヘロデ王の再婚をとがめ牢に入れられている預言者ヨハネの首を所望。首が
出現したところ。それまでの画家は首が皿に載って運ばれてくる形で描いていたが、
突然、首だけが出現するところが、象徴主義のモロー。モローの代表作の一つで、
サロンに出品され好評だった絵。背景の壮麗な宮殿も丁寧に描かれている。
オルセー美術館の同名の作品は、背景が小さめでサロメが大きい。
右:「踊るサロメ」入れ墨姿で踊るサロメ。横に立つのは従者で中央後ろにヘロデ王が
見える。
「一角獣」明るい色彩なので、描かれているものが明快にわかる。
十字架のキリスト
額に絵の名前がついているものが大作で、そうでないものは、番号だけが置かれ、
作品名がまとめて別の所に表示されていた。
こんな風景画を描いていたこともあったのね、と眺めた。詩情がある風景画が
神話画に繋がっていくのだろう。
デッサンもあり、展示されている作品数が非常に多いので、モロー好きの人は、
たまらなく楽しいと思う。
モローに興味がなくても、邸宅、モローの居室、調度品が面白いかと思う。
たまらなく楽しいと思う。
モローに興味がなくても、邸宅、モローの居室、調度品が面白いかと思う。
立派な邸宅が狭く感じられそうです。
これだけびっしりと掛けられていると、頭がパニックになるかもしれません。
^^;
by よしあき・ギャラリー (2024-02-15 05:22)
ギュスターブ・モロー美術館、「ギャラリー・ラファイエット」から歩いて15分・・・
どこにあるのかと思ったら、サントトリニテ教会の近くだったとは。
その教会までは行ったことがあったので、もう少し歩けばよかったなぁ。
「求婚者たち」ってそういう絵なんですね・・・求婚者が108人って、
煩悩の数と同じだ^^;。
前記事がギメ美術館での日本の昔のものの展示で着物や帯があったからか、
求婚者で思い出したのが「竹取物語」のかぐや姫。
あちらは最終5人だったか、残った数は少なかったけど^^;。
by Inatimy (2024-02-15 07:54)
宗教や神話の絵は話を知っていると面白いけれど
知らないとちょっとコワイだけの絵になっちゃいそうですね。
モローの描く女性は、ふくよかなタイプではないのだなと
見ていて思ったり。作品、確かに多いのか思い切りくっつけて
並んでいますね。吹き抜けの大展示室は圧巻ですね。
by ふにゃいの (2024-02-16 22:34)
よしあきさん、ほんと、絵が隙間なくかかってる印象です。西洋では昔から、
コレクターの個人宅では、たくさん並べることが多いらしいのですが、日本人は余白が欲しいですよね。
by TaekoLovesParis (2024-02-17 00:04)
Inatimyさん、サントトリニテ教会までは、いらしたんですね。そこからすぐ、だったんですよ。108が煩悩の数、私もすぐ除夜の鐘の、、と思いましたよ。おおげさに書いてるんでしょうけどね。
かぐや姫は、5人だったんですね。覚えてなかったので、今、もう一度ストーリーを読んだら、5人とも不合格で、その後、美人という噂を聞いた帝がやってきて、相思相愛になるけれど、姫は月に帰る。明治時代の画家満谷国四郎の「かぐや姫と竹取の翁」の絵を茨城県の笠間日動美術館で見たことを思い出しました。その美術館には、立派な竹林があったので、かぐや姫の絵を所蔵なのかしらと思いました。
by TaekoLovesParis (2024-02-17 00:25)
ふにゃいのさん、私もギリシア神話で知ってる話は少ないので、知ってる話の絵の時は、嬉しくなって、丁寧に見ちゃいます。見ながら、前に他の画家ので見た時は、と思い出し、比較するのも楽しいです。
レダ、やせてますよね。プロメテウスは筋肉隆々なのに。サロメくらい肉がついてたほうがいいですよね。
by TaekoLovesParis (2024-02-17 00:33)
邸宅、素敵ですね~行ってみたかったな~。
昨年、オペラガルニエとギャラリー・ラファイエットも行って、このあたりも歩いたとおもうんですけれども、ノータッチでした^^ほんとに大きな絵がぎっしりで圧倒されますね。
by おと (2024-02-17 02:40)
改めてじっくり眺めてみると、モローのサロメは生首の描写がイマイチ小さめ。オルセーには別の生首で『オルフェウスの首を持つ娘』も在るけど、その神秘的で詩的な画面にはおどろおどろしさ等は全くなくて、クラナッハなんかと較べると刺激が少なめですよね~。その点でtaekoねーさん的にはモローは少々物足りなくないですか?(笑)。
ドガとシャヴァンヌの二人がともにシャセリオーを敬愛し、多大な影響を受けていたそうですが、彼らより年長のモローはシャセリオーの弟子になりたいとまで願って、彼の住まいすぐにアトリエを構えて交流していたそうですね。残念乍らシャセリオーが37歳の若さで病没してしまうので、モローは弟子になることが叶いませんでしたが、ドガはイタリア留学中にモローと出会って行動を共にして様々な影響を受けたそう。ドガがシャセリオーを好んだのにはモローの影響が有ったのかもしれないなぁ~等と想像しちゃう。なかなか興味深くないですか?。シャセリオーの色彩感覚がモローを通じてドガのパステル画を産んだのかも知れないし、やがてはモローの教え子たち、ルオーやマティスのフォーヴにも引き継がれた・・・なんてね(^^。
by yk2 (2024-02-17 11:31)
おとさん、修理はしていても、1852年に購入した家170年経ってるんですよね。明治維新より前の時代。螺旋階段がアール・ヌーヴォ―で草花模様の装飾です。ギャラリーラファイエットから、オペラ・ガルニエと逆の方向に歩きます。作品数が多くて、圧倒されますが、所々に知ってる絵があるので、楽しかったです。
by TaekoLovesParis (2024-02-18 00:41)
yk2さん、『オルフェウスの首を持つ娘』は神話でも琴の名手、オルフェウスで、トラキアに流れ着いて来たんですよね。娘は「かわいそうに」という表情で穏やか。ヘロデ王憎しのサロメの激しさとは違いますよね。お盆にのった首は、次の記事でも登場します。エンネルの描いたサロメ、神話っぽくなくて、現代風。気に入りました。
<彼の住まいすぐにアトリエを構えて交流していたそうですね。>→ 1852年に両親がこの家を買ってくれたので、3階をアトリエにしたという記述がありました。それが、この家なんでしょうね。
<ドガはイタリア留学中にモローと出会って行動を共にして様々な影響を受けたそう。> → 1857年、モローはシャセリオーが亡くなって傷心。イタリアへ旅立った。で、ドガに会うんですよね。後にドガがモローの肖像画を描くほど、2人は親しかった。モローは、デッサンより色彩重視のドラクロワへとドガの眼を向けさせたと書いてある記事もありました。
https://jacyou.com/tory/gustave-moreau/
だから、yk2さんの推測、合ってると思いますよ。
by TaekoLovesParis (2024-02-18 00:59)