「源氏の宮廷にて」展 [☆彡Paris 展覧会]
パリの東洋美術館専門のギメ美術館へ「源氏の宮廷にて1000年の日本の想像力」展
を見に行った。人気と聞いていたが、その通り。平日なのに結構、人が入っていた。
を見に行った。人気と聞いていたが、その通り。平日なのに結構、人が入っていた。
源氏物語に関心があるフランス人たちが熱心に展示を見ている。屏風は譲り合って
見るので順番待ち。私と目が合うと、日本人ね、という感じで会釈をしてくるので
「見てくれてありがとう」と言いたくなる。
これが「源氏の宮廷」を描いた屏風。
見るので順番待ち。私と目が合うと、日本人ね、という感じで会釈をしてくるので
「見てくれてありがとう」と言いたくなる。
これが「源氏の宮廷」を描いた屏風。
女性が6人。左端に烏帽子をかぶった貴族の男性がのぞき見(笑)。
輿、平安時代は天皇や貴族など身分の高いのための乗り物。
装飾が施されている。
装飾が施されている。
掛け軸、伝・土佐光則(1583~1638)
「歌人 小野小町」桃山時代16世紀 絹地に着色。
1902年にギメ美術館が購入と書いてあった。綺麗に保存されている。
「歌人 小野小町」桃山時代16世紀 絹地に着色。
1902年にギメ美術館が購入と書いてあった。綺麗に保存されている。
鳥居清長(1752~1815)「歌人 小野小町」江戸時代1784年 多色刷り。
<小野小町は、平安時代の偉大な歌人で貴族階級。情熱と性愛、孤独と不安を
表現した歌を作った。とても美人であった>と説明がついていた。
<小野小町は、平安時代の偉大な歌人で貴族階級。情熱と性愛、孤独と不安を
表現した歌を作った。とても美人であった>と説明がついていた。
鳥居清長「日本の美人 清少納言、部屋でくつろぐ」江戸時代1781~82年。
<清少納言(966~1013)は、紫式部の競争相手だった。著作「枕草子」は、
自らが一条天皇の皇后に仕え、宮廷で生活した日々の話の文集である。>と
説明がついていた。
<清少納言(966~1013)は、紫式部の競争相手だった。著作「枕草子」は、
自らが一条天皇の皇后に仕え、宮廷で生活した日々の話の文集である。>と
説明がついていた。
当時の調度品、蒔絵の手箱、中にまた箱が4つある。
ミニチュアの十二単
ミニチュアの十二単
歌川広重(1797~1858)の「源氏物語五十四帖」からの多色刷り。
これには一枚、一枚に説明なし。私が書き加えた。
「桐壺」
第一帖。光源氏誕生の絵。左側に桐壺、隣で乳母が光源氏を抱いている。
中央に天皇、桐壺帝。
感心するほど綺麗なままの浮世絵。左隅に「広重」と署名。
「夕顔」
乳母の見舞いの折、隣の垣根に咲く夕顔の花に目を留めた源氏が従者に取りに
やらせたところ、邸の住人が和歌で返答する。
これには一枚、一枚に説明なし。私が書き加えた。
「桐壺」
第一帖。光源氏誕生の絵。左側に桐壺、隣で乳母が光源氏を抱いている。
中央に天皇、桐壺帝。
感心するほど綺麗なままの浮世絵。左隅に「広重」と署名。
「夕顔」
乳母の見舞いの折、隣の垣根に咲く夕顔の花に目を留めた源氏が従者に取りに
やらせたところ、邸の住人が和歌で返答する。
次に、「Genji」のマンガの部屋。壁紙が全部、マンガからの絵。
しかも、アニメ版がスクリーンに映し出されていた。主人公Genjiは、細面で美しい。
しかも、アニメ版がスクリーンに映し出されていた。主人公Genjiは、細面で美しい。
最後の展示室に、豪華な帯が飾られていた。そして帯を織るための糸も。
これは、平安時代のものでなく、明治時代のもの。明治時代に京都の西陣は、
留学生をフランスに派遣し、温かくもてなされ、学び、ジャガード織機を
導入したことで、西陣の織物は世界的評価を得るものになった。
このことに感謝した西陣の山口伊太郎氏が、「源氏物語絵巻」を錦織で作成。
ギメ美術館に寄贈した。それが展示されていた。織物なので立体感があり美しい。
フランス人たちも念入りに見ていた。
「錦織で源氏物語」作製のための指示書。どこにどの糸をが記されている。
これは、平安時代のものでなく、明治時代のもの。明治時代に京都の西陣は、
留学生をフランスに派遣し、温かくもてなされ、学び、ジャガード織機を
導入したことで、西陣の織物は世界的評価を得るものになった。
このことに感謝した西陣の山口伊太郎氏が、「源氏物語絵巻」を錦織で作成。
ギメ美術館に寄贈した。それが展示されていた。織物なので立体感があり美しい。
フランス人たちも念入りに見ていた。
「錦織で源氏物語」作製のための指示書。どこにどの糸をが記されている。
素晴らしい展覧会ですね。
おすそ分け、ありがとうございました。
by よしあき・ギャラリー (2024-02-11 05:47)
ギメ美術館で源氏物語かぁ。現代日本人の多くが古典に興味を持たなくなったこの時代に、一部のフランス人が抱く日本文化への関心の高さは、ちょっとした驚きですね。
僕は『源氏物語』の現代語訳版でさえ手に取ったことがないので、平安時代の王朝物にはとんと疎くって。琳派関連の展覧会に行ったって、この時代の王朝文化や文学に対する理解が無いと解らないことって多いですよね。例えばカキツバタと橋だけが描かれた図を見て、タイトルが『八橋』だから伊勢物語だと理解して、とっさに業平の詠んだ(例のか・き・つ・ば・たって折句の)和歌までが頭に浮かぶだなんて、昔の人の教養の深さを想うと本当にホントに恐ろしい。そんな事に憧れて(苦笑)、僕も常々源氏物語にチャレンジしてその世界観を理解できたら・・・なんて思うのですが、そのヴォリュームに怯んで、結局は手に取る前から挫折してしまいます(^^;
by yk2 (2024-02-11 10:45)
よしあきさん、楽しんでいただけて良かったです。1902年に購入のものがあるということは、明治時代に、浮世絵を買っていたんですね。うれしいことですね。
by TaekoLovesParis (2024-02-11 15:50)
面白そうな展示ばかりですね。
ラストの帯が素晴らしいですね!
側で見たら、目が眩みそうです(笑)
by angie17 (2024-02-11 17:31)
yk2さん、今年のNHKの大河ドラマは、「光る君」=光源氏で、紫式部が主役です。2回目を見たら、結構、面白かったので、その後、ほぼ見てます。セリフが全部、今の話し言葉なので、変に感じるときもありますが、話の流れがわかりやすくなります。でも、左大臣が右大臣より偉いとわかってないと、「私の父は左大臣なのよ」の意味の大きさがわからない。
源氏物語は、五十四帖と長いので、最初の三帖で挫折。この記事を書くのに、
左上の文(歌)がわかったらいいなと、原文をあたったけど、あてはまる箇所を見つけられない。字の崩し方の規則をわかってないと、歯が立たないです。
宗達の絵に光悦の書という琳派の作品でも読めないのだから、不可能でした。
「夕顔」の話、屋敷から出てきた女性は、夕顔の花を差し出すのに、歌を書いた扇の上にのせて出し、その和歌が「なんて美しい君」という内容だったので、光源氏はその頭の良さに惚れてしまうのです。さくっと、57577に想いを込めた歌を作る。すばらしいですよね。ひたすら感心するだけです。
by TaekoLovesParis (2024-02-12 01:45)
angieさん、見つめたら、まばゆさに目がくらみますよ。金地に刺繍、そこにも金糸、銀糸。絢爛豪華。照明をあててるので、きら~っ。でも、豪華なものを見るのは楽しいです。
by TaekoLovesParis (2024-02-12 01:50)
源氏物語関連の展覧会って、
日本で大河ドラマをやっているのと関係あるんでしょうか?
それとも、たまたまなのか、だとしてもタイムリーですね。(^^)
展示品もなかなかよい選択がされているように感じます。
源氏物語は、まず最初に谷崎訳で読んだら
全然わからなくて桐壺で挫折。
なら原文のほうが読みやすいんじゃないかと思って、
原文で読みましたが明石あたりで挫折。
最後まで読んでいません。(ダメジャン!)
他の古典に較べても源氏はむずかしいように思います。
by lequiche (2024-02-12 13:40)
大河ドラマ、面白そうですよね。いいなぁ、気になっているのですが、残念ながら見られません。柄本佑さん、見たいです(奥さんの安藤サクラさんも好き)。西陣織、豪奢で美しいですね。この帯を締めるとどんな感じかなぁなど想像しています^^細かな指示書、職人さんたちの技ですね。
by おと (2024-02-12 19:13)
おとさん、そちらでは見られないんですね。柄本佑は目でも演技できるし、道長の貫禄もついてきて、上手いなぁと感心しながら見てます。西陣織の袋帯は、豪華で華麗ですよね。お茶事に着る紋が入った無地の着物でも、金色の西陣の帯を合わせると、豪華になって、結婚式のおよばれにも着れました。こういう指示書があると、伝統として伝わっていきますね。
by TaekoLovesParis (2024-02-14 00:30)
lequicheさん、<日本で大河ドラマをやっているのと関係ある>→ 調べたけれど、少ししかわからなかったです。『 源氏物語 』の成立千年を記念して2008年に行事が行われ、それがきっかけで、源氏物語を下に考えられた脚本のTVアニメ『源氏物語千年紀 Genji』がヒットし、マンガ本も売れたそうです。日本のマンガはフランスの若者に人気なので、私が行った展覧会でも、この漫画本を展示してありました。けれども会場で流されていた動画は、日本のTVアニメの映像とは違いました。フランスのオリジナルなのかわかりません。
谷崎源氏、一時、話題になってましたね。少しでもお読みになったのは、すごいです。私は高校の授業の「奥の細道」「徒然草」で目いっぱいだったので、それより難しいとされる文学の源氏物語は無理と手にもとらず、ごくごく最近、口語訳と対比させて少しずつ読んでみてます。
by TaekoLovesParis (2024-02-14 00:58)