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ヴィットリオ・グリゴーロのコンサート [オペラ、コンサート、バレエ]

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サントリーホールへイタリアのテノール歌手「ヴィットリオ・グリゴーロ」のコンサートを
聴きに行った。今まで年に2~3回、サントリーホールに行っていたが、コロナの流行で
昨年は一度も行けず、久しぶりだった。


パヴァロッティの再来といわれ、カリスマ性でも注目を集めているヴィットリオ。
イタリアで開催されたF1レースの開会式で国家を歌ったりしている。ここをクリック

1977年生まれ、9歳でバチカンのシスティーナ礼拝堂聖歌隊のソリストを務め、
13歳の時、パヴァロッティが主役をつとめたオペラ「トスカ」で羊飼いの少年役に抜擢
され、パヴァロッティに絶賛された。23歳の時、史上最年少でミラノスカラ座の舞台
に立ち、その後、欧米各国の主要舞台で主役を歌い続けている。


私の親友、歌姫がヴィットリオの大ファンなので、私もテレビで見れるヴィットリオ
が主役のオペラは見ている。




今回、生コンサートへ行くのは、はじめて。
ソロ・コンサートなので、ピアノ伴奏で歌う。ピアノはマルコ・ボエーミ。通常は指揮者だが、
ヴィットリオと同じイタリア人。コロナのため2人は2週間前に来日、練習をしていたそうだ。
息の合った演奏。アリアの合間にピアノソロが入るプログラム構成。
マルコ・ボエーミはオペラの指揮が多いせいか、ピアノ演奏もドラマティック。
しかし、服装が、ほとんど普段着。黒ではあったが。


広いサントリーホールだが、客の入りは半分ほど。そのため音が響いて心地よい。
ヴィットリオは盛り上げるのがうまい。小走りに登場し、オペラそのものを演じながら歌う。
オペラの一場面そのものである。喜怒哀楽が細やかに表現され、音量も自由自在に操る。
聴いていると主役の心情にのめり込んでしまう。


一曲歌い終わると、拍手に応え観客席に投げキッス。指揮者のようなジェスチャーで
拍手を盛り上げたり、小さくさせたりと客席との一体化。
ヴィットリオは、アスリートのように舞台を駆け回る。贅肉がついていないので、
身体の動きが美しい。

イタリア人なので、イタリアものが上手いのは当然だが、彼はフランス語も堪能で、
特に悲壮感漂うフランス物の表現が絶妙。

歌った曲は、
1,「なんと彼女は美しい、なんと可愛い」(愛の妙薬より)

2,「人知れぬ涙」(愛の妙薬より)

3,「清らかで美しい天使」(アルバ侯爵)

4,「冷たき手を」(ラ・ボエーム)

5,「女心の歌」(リゴレット)

6,「見よ、恐ろしい炎を」(イル・トロヴァトーレ)

休憩

7,「目を閉じれば」(マノン)

8,「ああ、太陽よ、昇れ」(ロメオとジュリエット)

9,「春風よ、何故私を目覚めさせるのか」(ウェルテル)

10.「クラインザックの歌:むかしアイゼナハの宮廷に」(ホフマン物語)

11.「星は光りぬ」(トスカ)


曲目が全部終わり、アンコール。
ここで、初めて、ヴィットリオは観客に向かって話す。
「アンコールは3曲用意してきたが、サントリーホールが9時で終われというので、
1曲しか歌えない。カルメンとナポリの歌とどっちがいいか?
(観客席からカルメンの声)よし、じゃカルメンで。」

歌い終わり、引っ込んだが再登場。「乾杯の歌」を歌って大盛り上がり。終了。

楽しく、心に沁みるコンサートだった。[黒ハート]


私が好きな「人知れぬ涙」→ YouTubeで見れます。聴けます。


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いつもポメリー [シャンパン・ワイン・ビール]

梅雨が始まりましたね。

そして、ずっと続いているコロナ禍。[台風]
レストランでシャンパン、ワインを飲むこともできず、家でも大人数は不可なので、
「しかたないわね。2人で」と、M子さんと外が明るい夕方から飲み始める。


サクランボとシャンパン
山形産の小粒、普通の、アメリカンチェリーと3種のチェリーで。
小粒は浮かべるとかわいい。
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以前、パリの友だちのレストランでいつも飲むシャンパンが、ポメリーだったので、
ちょっと甘めだけど、ポメリーが好き。今ではうちの定番。

この日の主役は赤ワイン「オー・ボン・クリマ」
三角形の特徴あるラベル。
そもそもは、yk2さんの記事で読み、「飲みたいな」と思っていたら、そののち、
シャポンへyk2さんが持ってきてくださって、飲んだら、とても美味しかった。
カリフォルニアの豊潤さよりもブルゴーニュの芳醇さでエレガントだったという記憶。
それを近所のスーパーで見かけ、即購入。さっそくM子さんを誘ったのだった。
          (*シャポンは以前、自由が丘にあったワイン持ち込み可のレストラン)

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日本向けに日本人デザイナー椿氏がワインの精霊を描いたラベル。
アメリカでのものは、葡萄の葉が描かれてるものもある。
ピノ・ノワールの綺麗なルビー色。香りも華やか。タンニンが少なく
飲みやすいが、奥行きはある。
合わせたのは、スズキのソテーと薄切り牛肉をさっと焼いたもの。
こういう簡単な料理は、飲んでからでも、キッチンに立って作れる。
デパートで購入したスズキの切り身には、予め、バターソースがついていた。


2,1週間後もサクランボとシャンパン
通訳の仕事をしてるMは、「外人が来ないからヒマー。失職中。どこにも食べに行けないし、
鰻、うちのそばに美味しい店があるから、焼いてもらって持って行くから」

この日も、まずは、さくらんぼを浮かべて、ポメリーを飲む。
生ハムメロン。帆立のカルパッチョ、イカのマリネ。グリーンサラダ。

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鰻ならキュウリもみと一緒に食べるわね、と用意して、ワインは白。
M.シャプティエの「サン・ジョセフ デシャン」
以前、海老に合わせて飲んでおいしかったので。(その記事はこちら)


「M子さんも一緒に飲みたかったわね、来月ならもう大丈夫かしら」と話す。

3,この日もM子さんと
この日は、何を飲む名目だったっけ?
そう、福島へ引っ越したAが、ご挨拶と送ってくれたワインを飲みましょう会。
土曜日、4時にうちの近くの駅で待ち合わせ、少し高級なスーパーで一緒に買い物。
「ボイルしてあって、ソースもついてる、これ、成城石井で同じようなの売ってる
けど、こっちの方が全然安いわ。すぐ食べられるし」なんて相談しながら買った
ボイル海老。
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他に買ったのは、タコ、サラダかぶ。酢の物にした。
鯛の切り身はソテーに。レモンでさっぱりと。
牛肉は、さっと焼く用のを買って、叙々苑のタレをつけて食べた。
ワインは、ハートマークのカロン・セギュールのセカンド 「サン・エステフェ」

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コロナなので、八ヶ岳で暮らしているHさんから、自家製の野菜が届いた。
一緒に入っていたマーガレットとミントのブーケ。いいにおいがするので、キッチン
に置いている。モヒートが飲みたくなるはずだけど、梅雨で肌寒いから。。


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横浜美術館(2) [日本の美術館]

横浜美術館所蔵の作品は、年代的に開港以来のもの、横浜にゆかりのある作家
のものを取り上げている。
前記事で、彫刻とヨーロッパ近代絵画を取り上げたので、ここでは、明治以降の
日本画と版画、工芸品、現代アートで、印象に残ったものについて書く。

1,平櫛田中
ひらぐし・でんちゅうと読む。木彫。「陶淵明」(帰去来)1946年
「帰りなんいざ 田園まさに荒れなんとす なんぞ帰らざる 歳月は人を待たず」
という有名な漢詩(405年成立)の作者の像。故郷に帰ろうとする強い気持ちが
表されている木彫は部屋の雰囲気を厳粛にする。平櫛田中は高村光雲に師事した。
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左の後ろにみえている掛け軸は、横山大観の「雲揺らぐ」1927年。水しぶき、水煙を
あげて落ちる白い瀑布。黒い部分は岩に木々。水墨画の素晴らしさに目を見張った。
後方右も大観で「江上舟遊」1921年。


2,下村観山 「小倉山」6曲1双 1909年
小倉百人一首の「小倉山 峰のもみじ葉 心あらば 今ひとたびの みゆき待たなむ」
実際はもっと黄色っぽく輝く金屏風だった。
秋の木立に腰を下ろす貴族、藤原忠平。天皇の再訪まで紅葉よ、散らないでくれと
願っている。木の幹を色彩で描き分け、遠近感を出している。丁寧な写実。琳派の
雰囲気もある。

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横浜美術館のティールームは「小倉山」、この絵に因んで名付けたのだろうか。



3,菱田春草 「夏汀」1902年
春草はこの時期、大観と共に墨の輪郭線を描かない朦朧体で光や空気感を表現した。
水面に浮かんでいるような岩。一羽の鳥。夕陽の淡い光だろうか。

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菱田春草は、36才で亡くなったため、作品数が少ない。




4,今村紫紅 「伊達政宗」1910年
独眼竜として名を馳せた政宗。この肖像画でも片方の眼は閉じて描かれている。
政宗は、慶長遣欧使節団として支倉常長をスペインへ派遣し、ローマ法王にも
謁見させた。キリスト教禁止令が幕府から出る前ゆえ、正宗はキリスト教への
関心を公にしていたので、紫紅は肖像の背後に十字架を描いた。
紫紅は横浜市出身、やまと絵の伝統と南画の柔らかな筆致を学び、後期印象派の
色彩や構図を日本画に取り入れようとしていたが、35才で亡くなった。この絵にも
従来の伊達政宗の肖像画と異なるモダンさが感じられる。

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5,小林古径 草花(カーネーション) 1935年
面白い構図。
上から白い花、赤い花2輪、黄色い花と3色のカーネーションが風になびく。
古径は、今村紫紅らと新しい日本画を試みたが、渡欧後は、やまと絵の
伝統をひきつぐ写実の静物画をいくつも描いた。端正で明快、やさしい絵。

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横浜美術館には、版画が多く収められている。

6,ポール・ジャクレー
ジャクレーは、1899年、一橋大学のフランス語講師として来日した父と共に
3歳の時
から日本で暮らし、父の同僚の黒田清輝、久米桂一郎から油絵とデッサンを学び、
浮世絵の流れをくむ日本画も学んだ。日本文化が好きで、版画研究所を作り
浮世絵技法の多色木版画を制作した。彫師、摺師と共に研究所で暮らした。
ミクロネシアなど南洋諸島へ旅し、現地の人物を水彩に描き、版画にしている。
「オウム貝 ヤップ島」 1958年

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7,川瀬巴水 「東京十二題 こま形河岸 1919年」
幕末から現代までの日本版画の歴史をたどる「魅惑のニッポン木版画」展を
所蔵品で開催(2014年)するほど横浜美術館はたくさんの木版画を持っている。
大正時代、浮世絵の線や色彩を受け継ぐ「新版画」が絵師、川瀬巴水、吉田博ら
によって擁立された。川瀬は日本各地を旅し風景をスケッチ、版画にした。
静かな美しい日本の風景の佇まいは郷愁と情感がある。

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横浜生まれの木版画家「川上澄生ここを参照)、銅版画「長谷川潔」の作品は、
常設展でいつも見ることができるので、オススメです。


8,白髪一雄 「梁山泊」1962年
日本のアクションペインティングの創始者。体をロープで吊り、足で作品を制作。
作品はどれも大きい。アーティゾン美術館にも大きな作品がある

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9、宮川香山(3代)「青磁釉青華模様花瓶」1940~45年
初代宮川香山は、明治時代、輸出用陶磁器「真葛焼」のための窯を港に近い横浜に開いた。
さらに装飾を施した花瓶「高浮彫」を制作し、海外で評判になり、よく売れた。
後年は、清朝の磁器をもとに釉薬を研究し、このタイプの花器を制作した。
これは3代の作品である。
初代の作品のすばらしさは、yk2さんの記事をご覧ください。→ここをクリック


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10、吉村益信「大ガラス」1969年
部屋の中央にいるカラス。大きくて、リアル!
初めて見た人は、ほぼ全員、驚くと思う。
これは、1970年の大阪万博「せんい館」での展示用に作られ、「旅がらす」
というタイトルだった。濡れ羽色のからすの羽を繊維で再現したのだろう。
その後、吉村益信が、マルセル・デュシャンのガラス戸を使った作品「大ガラス」
にインスパイアされ、名前を「大ガラス」に変えた。

向こう側に見える大きな絵は、白い鳥2羽が暗い空を飛び、女性の右側にカラスが
たたずむという構図。不思議な世界観の絵だが、大ガラスと対応させているのだろう。

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