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ムツェンスク郡のマクベス夫人(オペラ) [オペラ、コンサート、バレエ]

 前記事の「忘れえぬロシア」展以来、ロシアが気になるので、ロシアの作曲家
ショスタコーヴィチのオペラ「ムツェンスク郡のマクベス夫人」を見に新国立劇場に行った。
いつもはオペラ友Mが、「これ、行きましょう」と言うのだけど、今回は私から誘った。

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 「ロシアのって難しいかと思ったら、この前のワルキューレ、ドイツのに比べたら、
わかりやすいわね」とMが言う。そう、一言でいえば不倫話ですもの。

 ロシアのムツェンスク郡の裕福な商人の妻が使用人と不倫。邪魔な舅と夫を殺害。
使用人と結婚式をあげるが、殺人が発覚しシベリアに流刑となるという筋がき。
悪女の評判が高いシェークスピアの「マクベス夫人」になぞらえたタイトル。
1934年の初演は好評だったが、内容が衝撃的だったので上演禁止となった作品。
しかし近年では、「20世紀ロシア最高のオペラ」と再評価されている。
今回のものは、2004年にロンドンのロイヤルオペラハウスで上演された版。

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 音楽による感情表現。弦楽器が主だが、感情が高揚すると管楽器が高く鳴る。
ふたりのベッドインと共に幕がおり、荒々しい不協和音で管楽器、打楽器、ジャズを
感じさせるオーケストラの間奏曲。幕の後で何がおきているのか想像してね、だろう。
1幕にきれいなメロディのアリアがあったが、あとは短い感情表現の曲が多い。
舅の死の告解に立ち会う司祭のアリアが底抜けに明るく、唯一、笑う場面だった。

 ダイナミックな感情表現の曲は、オーケストラにかなりの技量を求める。
終演後、オーケストラに惜しみない拍手が続いた。

指揮:ミハイル・シンケヴィチ
演出:リチャード・ジョーンズ
舅:ワレリー・アレクセイエフ
妻:ステファニー・フリーデ
使用人:ヴィクトール・ルトシュク
夫:内山 信吾
司祭:妻屋 秀和

公演は、5月1日夜、4日昼、7日夜、10日昼の4回


 私がショスタコーヴィチになじみがあるのは、以前の仕事でいっしょだったYさんに
いろいろ教えていただいたから。[黒ハート]
 Yさんは、フランス政府の給費留学生でパリ国立音楽院に留学。首席で卒業。帰路、
モスクワからの招待で滞在中、ロシア音楽にめざめ、以来、ロシアものひとすじ。
彼女がショスターコーヴィチを弾くCDを聴くと、その力強さに、「私もがんばらなくちゃ」と
思う。「ロシアものはエネルギーがいるから、年取ったら弾けないので、今のうち」と、
ロシア作曲家の連続コンサートをなさっていた。[るんるん]
今は、やはり、ドビュッシーなどフランスものの演奏法を教えていらっしゃる。


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