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オランジュリー美術館 [☆彡Paris 美術館]

 オランジュリー美術館は、ルーブル美術館の隣のチュルリー公園内にあります。 

昔、宮殿のオレンジの温室だったため、オランジュリーという名前です。

ここには、モネがフランス政府に作らせた「睡蓮」を見るための部屋があります。



明るい日差しが差し込むガラスの屋根の部屋で、モネが描いたときと同じような光で、

朝の睡蓮、逆側に夕方の睡蓮を見ることができます。連作の横長の絵が球面状の壁いっぱいに

貼られています。真ん中にある椅子にすわって見るとちょうどよい視点です。



ここは昔は「印象派美術館」でした。今でもその流れで、ルノアールが17点。

ルノーアルが見たい人には、ここがおすすめです。

 

julliezさんのところで、ルノアールのダンス3部作(1883年)の記事がありましたが、
http://blog.so-net.ne.jp/couquine/la-danse
これはオーブで家庭を持ってからの作品ですね。母性や子供をテーマに何枚か描いています。

左は「ガブリエルとジャン」(1895年) モデルはルノーアルの奥さんのアリーヌではなく、
ガブリエルというルノアール家の家政婦兼モデルを20年勤めた人です。
息子のジャンは、後に「ピクニック」や「大いなる幻影」で有名なフランス映画創成期の監督、ジャン・ルノーアルです。ルノアール監督の写真を見ると、この小さい時の面影を残していることがわかります。牛のおもちゃで遊んでもらっているんですね。

右の絵は「2人の少女の肖像画」(1890年)



 

左は有名な「ピアノを弾く少女たち」(1892年)、これは少しづつ構図の違ったものがいくつもあるので、ご覧になった方が多いでしょう。
右は「ピエロ服のクロード・ルノアール」(1909年)。年代から察すると
息子でしょうね。

ルノアールは、若い頃はモネとお互いに影響しあい印象派の一時代を築いたのですが、
オーブに住んだ頃から、モネと作風が異なっていきます。

モネのことを「ひとつのすばらしい眼」とセザンヌは評したそうです。

一方、ルノアールは「私が好む絵は風景ならその中を散策したくなるような作品だし、
人物なら思わず手をのばして愛したくなるような裸婦だ」
と述べています。
(julliezさんのダンス3部作の記事の一番下の野原の絵に書いてある言葉です)



ルノアールのことばかり書いてしまいましたが、この美術館の展示品としては他にセザンヌ(下の写真)、マティス、アンリ・ルソー、モネ、モジリアニ、ローランサン、ピカソ、スーチン(ロシアの画家)などがあります。


これらは全部、ポール・ギヨームという画商のコレクションです。