オルセー美術館2008年冬(1) [☆彡Paris 美術館]
オルセー美術館は、観光客に人気でいつも混んでいる。
このときも、「ピアソとマネ展」の看板の写真を撮ろうと思ったのに、待ち合わせの人や、
記念撮影の人で、人が途絶えることがなかった。
後ろに行列ができているのがわかりますか? 私も約1時間待ってはいった。
(ミュージアムパスを事前に買ってあれば、並ばずにはいれます)
1時間も外で寒い中待ったので、まずは、5Fのティールームに。
あらら、ここも行列。仕方なくカフェテリアに。コーヒーとマフィンで休憩。
美術館内は作家別にブースになっていて、わかりやすい。
地上階、アングルのすぐそばに、私の好きなシャヴァンヌ(Puvis de Chavannes)
のブースができていた。
ここも人が多く、なかなか誰もいない写真が撮れなくて、、。
タイトル不明 の3点と書いたら、Inatimyさんが教えてくださいました。
左から、
「La Vigilance」(警戒、監視) 「L'Histoiore」(物語) 「Le Recueillement」(瞑想)
「希望」
小さいながらもインパクトのある絵。
破壊された城を背景にモデルの少女が、白い布をかけてすわっているのは盛り土を
した墓。きっと戦争のあとだろう。
少女が差し出しているのは、平和の象徴のオリーブの枝。
遠く地平線のかなたに夜明けの光が薄ぼんやりと見え、新しい希望の朝であるとわかる。
「髪結い」 古典的主題のきれいな作品。
(大きな写真は、yk2さんのところで見てください)
左「鳩」1871年 右「気球」1870年
この絵に関しても、yk2さんのところにくわしい説明があります。
シャヴァンヌは、19世紀最大の壁画家といわれ、壁画が多い。
静かな詩情あふれる画風 は、公共の建物にぴったりだったのだそう。
上の「希望」の少女が、白い服を着たヴァージョンは、壁画となっている。
私は、シャヴァンヌの詩情と共に、優雅さと色合いも好きだ。
以前に書いたシャヴァンヌに関する記事(絵も見れます)
すぐ横は、アングルとアングル派の人々の作品。
有名な「泉」
さて、5Fにあがってみると、特別ブースに、縄を張って祭られていたのが、「新規購入作品」
エミール・ベルナールの「象徴的な自画像」
ベルナールと同じ頃の画家、アンリ・エドモンクロス(Henri-Edomond Cross)の
「夕景」(L'air du soir) 1893年
エドモン・クロスは、シニャック(Signac)に誘われて、2年間を南仏でいっしょに暮らし、
この絵を描いた。エドモンクロスの手法は大きな長方形の点描。南仏らしい光あふれる
場所だが、夕方の空気は、光を和らげ、全体がやさしい色のトーンになっている。
後ろに船が見えるが、地平線と水平線が色の濃淡だけで暗示されているかのようだ。
この絵の構図は、シャヴァンヌの「楽園」にヒントを得ているとのこと。
(同じ時期、同じ場所で触発されながらシニャックが描いた絵、「ハーモニー」は、ここ)
同じく、エドモンクロスの「金色の島々」(Les Iles d'Or)
「金色の島々」というタイトルなのに、島は遠い。砂、海、空の色のグラデーションがきれい!
隣は、George Lemmen "La plage à Heist-1891" この2点だけ、額が白で目立っていた。
ルノアールのブースもあるが、貸し出し中の絵が多かった。
「大きな裸婦」 実際、大きな絵で目だっていた。
「モスク、アラブの祭」1881年
ルノワールらしくない主題かなと、注目。
城が見える城砦のような場所でのアラブ祭り。下から眺めているような構図がおもしろい。
とりあえず、今回はここまで。
続きは次回。