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ホフマン物語 [オペラ、コンサート、バレエ]

もうだいぶ前のことになってしまったけど、7月7日にオーチャードホールで大野和士指揮、
リヨン歌劇場引っ越し公演のオペラ「ホフマン物語」を見た。「ホフマンの舟歌」が有名な
オペラだが、見るのは初めてだった。大野さんの指揮の素晴らしさ、わかりやすさは、
オペラ「ウェルテル」で体験していたが、今回もまた、感動ものだった。音が細部まで美しく
鳴り響き、会場を包み込むかのようだった。ソロ、合唱、オケが一体となって音を奏で、
ストーリーを伝えてくれた。

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幕が開くと、暗闇の中、照明で浮かびあがってくる主人公ステラ。ハープに合わせて
美しく気高く歌うのは、ドンジョバンニのドンナアンナのアリア。ほかのオペラのアリア
で始まるのには、ちょっと驚いたけど、知ってる曲なので、うれしい。ステラが歌手役
なので、劇中歌として歌われたのだった。

「ホフマン物語」は、ホフマンの3つの恋物語で構成されている。[フリーダイヤル]
一幕目は、詩人ホフマンと歌手ステラの物語。
二幕目は、ホフマンは科学者の娘オランピアに恋をするが、なんとオランピアは人形だった。
オランピアのロボットのような動きと歌が面白い。オランピアが空中に舞い歌う場面に驚いたが、
宙吊りではなく、撮影で使われるクレーンに乗っていたのだった。
三幕目は、ホフマンは音楽家の娘アントニアと恋人どうし。アントニアの母は歌手だったが
亡くなったので、父はアントニアが妻のように亡くなることを恐れ、歌うことを禁じる。
四幕目はヴェニス。ここで有名な「ホフマンの舟歌」を娼婦ジュリエッタが歌う。

ホフマンは、ホフマン歌いとして評判の高いジョン・オズボーンの日ではなく、レオナルド・カパルボ
だったが、張りのある声のテノールで感情表現豊か。とてもよかった。
ステラ、オランピア、アントニア、ジュリエッタとひとりで4役を歌ったのは、パトリツィア・チョーフィ。
みごとに歌いわけて、「同じ人?」と疑うほど。すばらしい艶のある疲れを知らぬ声だった。
ひとり4役は大変なので、それぞれ別の歌手が歌うこともあるそうだ。
1~4幕の敵役を一人で歌った深いバリトンの声のロラン・アルバロもすばらしかった。

とてもレベルの高い、二度と見れないかもしれないと思わせるようなホフマン物語だった。
演出は、ロラン・ペリー。
1階、前のほうの良い席で、Neco,Ruiちゃんと一緒に見た。


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