SSブログ

Louis Janmot展(オルセー美術館) [☆彡Paris  展覧会]

オルセー美術館で、ルイ・ジャンモ(Louis Janmot)の「魂の詩」という展覧会を見た。
オルセーの企画展はメインの他に小さいものもをやっている。この時のメインは、
「ゴッホ最後の日々オーベール・シュール・オワーズにて、」で、
スペイン語の高校生たちが大勢並び、楽しそうに語らっていた。1時間は待つとの
ことだったので、小規模のルイ・ジャンモ(Louis Janmot)、絵が好きなタイプ
だったので、見ることにした。



Du 12 septembre 2023 au 07 janvier 2024

 これがポスター。天使に導かれ、天空を飛行、神様のもとに行くのでしょう。
こういう幻想的な絵は、好きなジャンル。

詩人で画家のルイ・ジャンモ(1814-1881)は、敬虔なカトリックで、
カトリックの精神に基づいた長編詩を書き、詩をもとに描いた一連の絵
「魂の詩」34枚を40年かけて制作、1855年の万国博覧会に出品した。
作品は、
ルイ・ジャンモの出身地リヨンの美術館所蔵だが、全部が公開
されるのは、今回が
初めて。

LouisJanmot_002.jpg
1,なんて、明るくて、かわいい絵なんでしょう!
ここがスタートでないのに、この絵に魅せられた。タイトルは「春」
主人公の男の子(ピンクの服)が魂の友(白い服の女の子)に野原で出会い、
二人でこれから人生の旅をする。
LouisJanmot0.jpg

2,「魂の詩」の順番としては、「春」の前に「天使と母」がくる。
赤ん坊を抱く慈愛に満ちた母の姿。横で天使が「この子の魂に神の御慈悲を」と祈る。
LouisJanmot1.jpg

3.さらにその前は、主人公の誕生場面、これが群を抜いて美しい絵。

「魂の道」 
母に抱かれた男の子の魂が天から地へ、たくさんの守護天使たちに守られながら
地上へ降りて来る。地上では、プロメテウスが岩山で鎖に繋がれ、ハゲタカに
食われている。 プロメテウスの絵は、モロー美術館で見たばかり
LouisJanmot2.jpg
と逆順の紹介だったが、以下、撮った絵を紹介。
4,「魂の飛行」
白い服の女性に導かれ、地上を去り、新しい国に向かう2人。
下に子供時代に慣れ親しんだ川、丘、緩やかな谷という穏やかな景色が
見える。
LouisJanmot3.jpg
ポスターに使われていたのは、
「理想」2人の魂は最高点に達し、女の子が先導。

その後、女の子が亡くなり、男の子は心を病み、で、ベージュ色の紙にパステル
で暗い色を使い、「孤独」「無限」「悪霊」「大饗宴」「神の喪失」など、悩む
心のようがが描かれていた。

「亡霊」
自然の美の中で、青年は再び希望を持つ、腕を折り胸に手を当てるポーズで、
一杯空気を吸い込んでいるところ。
LouisJanmot4.jpg
最後の絵は「神の御許へ」だった。
 
あれっ、見たことがある絵が架けてある!
アングル「オスティアのマリア」1854年
この絵は、「魂の詩」と同じ1855年のパリ万博出品作だった。
ルイジャンモは、当時ローマに滞在していたアングルに教えをこうために、
ローマに出かけるほどだった。
LouisJanmot_Engrid.jpg

ルイ・ジャンモ「聖家族」1844~87年
アングルのマリアの隣に架けられていた。
アングルの厳粛さ、気高さに比べると、こちらは市井の人のようなマリア。
LouisJanmot_SaintFamille.jpg
「魂の飛行」の横の説明には、やはり見たことがあるアリ・シェフェールの絵
「パオロとフランチェスカ」の縮小版の写真。空を舞うという発想は、ここから
来たのかしら、と説明を読むと、やはりそう。1835年にサロン出品の絵だから
見ているはず。アリ・シェフェールの絵はコントラストに目が行くが、ルイ・ジャンモ
は、もっと詩的、情緒的、ヴォラプチュアス(官能的)でもある。
LouisJanmot_HeriShefel.jpg
亡霊」の男のポーズは、ホドラーの「Regard dans l'infini 」無限の中で見つめる
からヒントを得たのだろうと縮小版の写真つきで説明があった。背景が海と
いうのも同じ。
LouisJanmot_Hodler.jpg

前半(第一部)の絵だけ見ていると、色も明るく、空を舞うように飛ぶ浮遊感。
それが第二部になると、ベージュの紙にパステルと暗くなる。
「魂の詩」、そもそも私が魂について、わかっていないから、ストーリーが
ぴんと来なかった。いつかわかる日が来るのだろうか。

nice!(35)  コメント(10) 
共通テーマ:アート