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スイス・プティパレ美術館展 [展覧会(西洋画)]

新宿駅西口から徒歩5分、SOMPO美術館へ「スイス プチ・パレ美術館展」を
見に行った。ゴッホの「ひまわり」があることで有名な美術館。入り口前に
撮影用の大きなパネルがあったので、その写真を。


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展示は「プチ・パレ美術館」の1880年から1930年の作品65点と、同時代の
損保美術館所蔵の作品13点である。美術館の創設者が、有名でない才能ある
画家の作品を積極的にコレクションしたので、初めて見る画家のものも多く
面白かった。作品数は、さほど多くないので、疲れずに見れる。


展示は年代順になっている。
まずは印象派から。ファンタン=ラトゥールの「ヴェーヌスの身繕い」1880年、
ルノワール「詩人アリス・ヴァリエール=メルバッハの肖像」1913年
晩年のルノワールはリューマチに悩み、あまり肖像画を引き受けなかったのだが、
彼女を見たとたん、描く意欲が湧き、白いサテンのドレスを着せて描いたそうだ。
大きな絵。
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カイユボット「子どものモーリス・ユゴーの肖像」1885年
絵画収集家ポール・ユゴーの息子モーリス。子供の肖像にはあまり使われない
黒を使っている。あまり可愛くないので印象に残る。
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新印象派
アンリ=エドモン・クロス「糸杉のノクチューン」1896年
糸杉5本。船5隻。踊る女性たち5人。リズミカルで律動的。
ブルーとピンクの点描が美しい装飾的な絵。
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アシール・ロージェ「花瓶の花束」
初めて知る名前の画家。かなり大きな絵で赤が目に飛び込んでくる。
赤いダリアは花びらが点描で描かれ黒の輪郭線で縁どられている。
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ナビ派とポン・タヴァン派
チラシに使われているドニの「休暇中の宿題」1906年
休暇は夏休みとわかる明るい光。赤い格子の服やテーブルクロス、それらが
光でキラキラし、顔にも赤い光が映る。幸せそうな家庭の一コマに花瓶の花々
が明るさを際立たせる。
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新印象派からフォーヴィスムまで
デュフィ「マルセイユの市場」1903年
26才の作品。厚塗りでフォーヴィスムの時代。
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フォーヴィスムからキュビスムまで
マリア・ブランシャール「静物」1917年
この画家も初めてきく名前。丸いテーブル、四角いトレイの上に置かれた
4つのモチーフ。コーヒーポット、コーヒーカップとスプーン、あとは、何だろう。
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ジャン・メッツァンジェ「スフィンクス」1920年
メッツァンジェの自転車競技のおじさんの絵 (パリ・ポンピドーセンターで見た未来派展)
がユーモアが感じられ、好きなのだけど、
これは、アテネの女神が軽々とスフィンクスを持ち上げてる絵。何を暗示してるのだろう。
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ポスト印象派とエコール・ド・パリ
スタンラン「猫と一緒の母と子」1885年
女の子のショコラ・ショー(ココア)を欲しそうに見つめる猫。
でも、熱いからあぶないわと、ココアを抱え込む。
スタンランの描く猫はどれも可愛い。

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ユトリロ「ノートルダム」1917年
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写真はないが、ユトリロの母で画家のシュザンヌ・ヴァラドン「コントラバスを弾く女」
1908年 もあった。
ヴァロットンの「身繕い」1911年 
机に肘をつき手鏡を見つめる少女は、スマホをいじってる現代の少女に見えた。
少女が生き生きしている。

キスリング「サンートロペのシエスタ」1916年
フォービスム時代の絵なので、色合いがひどく明るい。テーブルに突っ伏して
寝るおかっぱ頭の女性は、いつもキスリングが描くタイプ。

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スイス「プチ・パレ美術館」は、創設者が1998年に亡くなってからずっと
休館中とのこと。才能がありながら、当時世に知られてなかった画家の作品
を積極的にコレクションに加えたそうなのでアンリ・マンギャン、ルイ・ヴァルタ、
ジャン・ピュイ、アルベール・デュボワ=ピエ、シャルル・カモワン、アンドレ・ロート
らの作品も各2枚はあるので、20世紀美術が好きな人には、特におすすめ。

10月10日まで開館中。

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2022夏のビール うちで 最終版 [シャンパン・ワイン・ビール]

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サントリーのMaster’s Dream。普通のよりちょっと高いけど、コクがある。
ドイツ料理屋のテイクアウト「ミュンヘン白ソーセージ」と合わせて美味しかった。
左にちょっと見えてるのは大きな帆立のバタ焼き。これとも合っていた。


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サントリーのMaster’s Dream に比べると、軽いのがアメリカのバドワイザー。
大谷選手の野球を見ながら飲むなら、これかな。鮭フライ、タルタルソースと
蟹クリームコロッケ。


バドワイザーと同じく軽いのが、エビスの白い缶。
エビチリ、チキン、かぼちゃなどと。

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サッポロ、ファイブスター。サッポロビール園で出してる生ビール仕様。
限定と書いてあると、つい買ってしまうし、美味しいような気がする。
鯛のソテー。なす、オクラ、夏野菜添え。

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買いに行くと半額というドミノピザの店へ、友達が来たので買いに行った。
サラダだけ用意。ビールを開ける前に撮った写真。
このテーブルクロスは、スコットランドで買ったスコットランドの旗仕立て。
ブルーに白いバッテン。スコットランドのバルモラ城で亡くなったエリザベス女王を偲んで。

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1個500何円のクロワッサンというのを1個、頂いた。
「MAISON LANDEMAIN という赤坂にある店に買いに行ったのに、
新宿・伊勢丹でも売ってるってきいて、がっかり」なんですって。
フランス産バター、小麦粉使用で高いんだそう。
でも、クロワッサン。これだけでは寂しい。サラダに合わせて食べてみた。
自分では買わないなぁ。

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こちらは、頂き物だけど、自分で買いたいケーキ。
右端のピスタチオが載ったチーズケーキが濃厚でとっても美味しい。
緑の部分はピスタチオペースト入りのクリームチーズにサワークリーム。
渋谷ブリッジにある「ミーガン」Megan-bar & pattiserieという店。

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ビールというタイトルだけど、締めは、ケーキになってしまいました。



              2022夏のビール うちで(3) です。

         


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ガブリエル・シャネル展 [展覧会(絵以外)]

東京駅のそば、丸の内の三菱一号館美術館へ「ガブリエル・シャネル展」を
見に行った。予想通り、会場内は、ほぼ女性。男性はファッション業界人と
いう雰囲気の人のみだった。
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ガブリエル・シャネルの仕事に焦点を当てた回顧展。

ガブリエル・シャネル(1883~1971)は、20世紀で最も影響力があった女性デザイナー
なので、その名前は、大抵の人が知っていると思う。
チラシの写真のように本人も美しく、ドラマティックな生涯は、「ココ・シャネル」
(2008年)、ココ・アヴァン・シャネル(2009年)と映画にもなっている。
*ガブリエルが本名、愛称はココ

この展覧会は、パリ市立モード美術館で開催されたものの国際巡回展なので、
シャネルの仕事、つまり作品を年代順に展示している。



1966年春夏発表のドレス 。絹モスリンの軽やかさとスカート部分の
タック、何段にもなってゴージャス。身頃の軽やかさと対照的。
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これは、1930年~1935年頃の作品。
昼間着る服。花柄プリントの絹のモスリンのドレスに(見えにくいが)
裁断した花のモティーフをあしらっている。
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このほかにも1930年代の服があったが、今でも着れそうな飽きのこない
すきいりとしたデザイン。 ただし、手仕事部分がすばらしい。フランスの
オートクチュールの技量の高さがわかる。下のイブニング用のケープ、1923年製
だが、首周りに毛皮があしわわれ、絹サテンの肩の部分には丁寧で豪華な刺繍。
裾周りにも刺繍。
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シャネルは、それまで女性がコルセットなど体を締め付ける下着をつけていた
ことに反発。動きやすくコルセットなしでも体が綺麗に見える服、上着が
カーデガンタイプののシャネル・スーツを考案した。
1965年、ウールツィード、下のブラウスは絹。
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1971年、テーラードのジャケットとスカート、絹クレープ。
ガラリットボタン。
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初期の作品は、シャネル自身のデザインだが、1971年にシャネルが亡くなった後、
メゾンは低迷。1983年にカール・ラガーフェルトをデザイナーとして迎え、シャネルの
考えを取り入れた新しいデザインで再評価され、活気を取り戻した。
しかしカール・ラガーフェルトは2019年に亡くなり、現在は別のデザイナーである。

 シャネルは、服だけでなく、ジュエリー、香水、バッグ、靴もデザインし、それらも
大ヒットをした。シャネル N°5の香水は、マリリン・モンローの発言で有名になった。
写真のバッグと靴は、かなり長い間のロングセラーで、特にバッグは今でもデザイン
を変えたものが数種類、シャネルの定番である。私も20年以上使い、今のは2代目である。
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 会場の三菱一号館美術館は、明治時代の赤レンガの重厚な三菱本社のビルを
利用しての建築なので、伝統と気品のシャネルの展覧会に雰囲気が合っていた。
中庭には、英国風ガーデンということで、バラが植えられ、彫刻が置かれている。
前に来たときは、ヘンリームーアの母と子の彫刻だったが、今回は、「羊の形」
という彫刻。見る角度によって、かなり違って見えて、面白かった。

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予約制ですが、私は4時半に行ったので、予約なしで大丈夫でした。
同行のM子さんは、「シャネルの服の人、いないのね」とがっかりしたご様子。
「夏にいい服がないのよ」といえど、バッグ、時計、指輪がシャネルだった。


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2022夏のビール  うちで(3) [シャンパン・ワイン・ビール]

9月。
9月も半ば。台風が来始めて、「ビールじゃなくちゃ」の季節から、「秋の夜長
にはワイン」に移行する日も近そうです。
コロナ患者数が減少傾向、行動制限もなくなったので、秋はコンサートや
美術館に出来るだけ行こうと思ってます。最後のビール記事です。

(1)ドイツビールの日、2回
瓶の首の所のラベルに「RADLER]と書いてあるので、この間の「ラドラー」
ビールをレモネード(炭酸入り)で割ったもの。私は中華のとき、紹興酒ロック
+スライスレモンが好きなので、ラドラーは、うちのあっさり家庭中華に合う。
中華風鯛の刺身サラダは、白髪ねぎ、キュウリ、レタスに辛みの効いた香味油。
それに自作焼売と豚肉、青梗菜塩炒め

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別の日は、「黒い森の修道院のビール」。ドイツ南部の広大な敷地の
黒い森(Schwarzwald)の中にある町、アルピルスバッハ(Alpiris Bacher)では、
かつて修道僧たちが自給自足の生活を送り、醸造所もあった。修道院は廃止
されたが、醸造所を買い取った人がビール造りを学び、再開したという歴史。
ビールは通常大麦だが、これはヴァイツェンWeizen(小麦)から作られるので、
苦みが少ない白ビールで、爽やかな味だった。
豚三枚肉でいんげん、えのきを巻いた「肉巻き」と。
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(2)歌姫と夕食。2回。
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サラダが大好きな歌姫。緑が数種類入ったローストチキン入りサラダを用意したら、
「自分が好きでないのに、こんな緑々したサラダを作ったの?」「やぁね~、
あなたのために作ったのよ」私は大きな海老フライより小さめの海老フライが好き
なので、自分のためには、この海老フライ。人参、いんげんを巻いた肉巻き。
日本のビール、アサヒとキリンで。(キリンを書き忘れたので追記

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別の日。「あ、レーベンブロイじゃない。ミュンヘンのオクトーバーフェスト
行ったのよ。Fさんが連れてってくれて」
Fさんは、歌姫の大学の同級生。ミュンヘンの教会の専属歌手。教会を大切にする
ドイツなので、専属歌手に、きちんとした報酬が払われるので、暮らしていけるそうだ。

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さらに、「ミュンヘンでルートヴィッヒのノイシュバンシュタイン城へ行った?
映画のとおりで、洞窟があったりで、すばらしかったわよ。あの洞窟で毎晩、
ルートヴィッヒはワーグナーの曲を聴いてたらしい。」
18才でバイエルン国王に即位したルートヴィッヒ2世は、ワーグナー擁護の度が
過ぎたのだが、そのおかげで、バイロイト祝祭劇場が建設され、オペラ「トリスタンとイゾルデ」、
「ニーベルングの指輪」が完成した。
木造のバイロイト祝祭劇場は今でも「バイロイト音楽祭」に使われている。


(3)羊蹄山ビール
友だちが、「羊蹄山ビール、知ってる? 誕生日のプレゼントにもらって飲んだけど、
おいしかった」 羊蹄山は、何回か行ったニセコ東山スキー場のある所。あそこに
ビール工場?と調べたら、紅茶で有名な「ルピシア」の経営。その辺で売ってないので、
ネットから購入。いろいろな種類があるが、基本、ホップ多めのIPA.
「ヒマだから早く行く」というM子さんと、まだ明るい夕方5時から飲み始めた。
家庭料理が食べたいと言うので、ナスの煮びたしをきりっと冷やして、北海道のタコ刺身、
アスパラのお浸し。

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次、「白い恋人」。羊蹄山ビールが札幌の石屋製菓とコラボして作った
ホワイトチョコの粉入りのIPAビール。飲む時は甘みを感じないのだが、
のど越しが重め。チョコを感じたかは不明だけど、最後に、もったり感と
かすかな甘み。これは、シャインマスカットに合うと、まだデザート時間
ではなかったけど、合わせて正解。

料理に戻るために、羊蹄山ビールはやめて、いつもの「スーパードライ」で
宮川のうなぎ。私は鰻に白いご飯が必要なので、冷凍ご飯を温めて。。
「やぁね~、ビールなのにごはんなんか持ってきて」と言ってたM子さんも
途中で、「私もやっぱりごはん、ほしい」

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自然と人のダイアローグ展 [展覧会(西洋画)]

国立西洋美術館では、リニューアルオープン記念として、ドイツ・エッセンの
フォルクヴァング美術館の協力のもと、自然と人の対話(ダイアローグ)から
生まれた近代芸術をたどる美術展を開催中。3か月余の会期も11日で終了なので、
記憶をたどって記事にしておきます。

構成としては、西洋美術館所蔵の作品7割とフォルクヴァング美術館の作品3割
の感じだったので、いつでも見れる西洋美術館の作品(常設の記事あり)を除き、
フォルクヴァング美術館の作品を写真でピンアップ。

チラシに使われているのは、ゴッホの「刈り入れ(刈り入れをする人のいる
サン=ポール病院裏の麦畑)1889年

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別のヴァージョンは、カスパー・フリードリヒ「夕日の前に立つ女性」1818年
実物は予想より小さな絵だった。

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ゴーギャン「扇を持つ娘」1902年

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ポール・シニャック「ポン・デ・ザール橋」1912年

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西洋美術館所蔵のポール・シニャック「サン=トロペの港」1901年~1902年
も展示されているので、比較して見れるのが興味深い。
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あまりの美しさに、この絵の前にしばし、佇んだ。
テオ・ファン・レイセルベルヘ「ブローニュ=シュル=メールの月光」1900年
ほの暗い青の画面。月明かりに照らされる水面のさざ波が点描で描かれる。
男3人のシルエットがストーリーをうむ。月明かりを描いたシダネルの
「月明かりの入江」より、だんぜん、こっちの方がいいな。

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パウル・クレー「月の出(サンジェルマン界隈)」1915年。水彩の小品。
色の美しさが際立つ。

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モンドリアン「コンポジション X」1912年~13年
赤-黄・青の3色の水平、垂直の線からなる有名なコンポジションより前に描かれた。

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エミール・ノルデ「木材の積み込みⅠ」1911年
荒々しいタッチで強い色彩のエミール・ノルデは生命力あふれる作品。
以前、パリのグランパレで「ノルデ展」を見て以来、気になる画家。

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アクセリ・ガッレン=カッレラ「ケイテレ湖」1906年
西洋美術館に新収蔵の絵。
ガッレン゠カッレラは、近年、国際的に高くj評価されているフィンランド の画家。
「ケイテレ湖」は彼の代表作。

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写真に加工をした作品で注目されているゲルハルト・リヒター「雲」1970年。
昨年、ポーラ美術館が作品を30億円で落札し、話題になった。
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さきほどのシニャックの作品のように、同じ作家の西洋美術館とフォルクヴァング美術館
作品を比較して見れる展示方法のところは他にもあった。
ギュスターヴ・クールベ《波》 1870年 左がフォルクヴァング美術館、右が西洋美術館。           

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ホドラー「モンタナ湖から眺めたヴァイスホルン」1915年
デザインのような風景画。ホドラーのもくもく雲、好きです。

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ダン・タイ・ソン ピアノリサイタル [オペラ、コンサート、バレエ]

8月30日(火)四谷の紀尾井ホールで「ダン・タイ・ソン ピアノリサイタル」
を聴いた。
ダン・タイ・ソンは、ショパンコンクールで、アジア人で初めて優勝した人。
さらに昨年のショパンコンクールで、弟子の中国系カナダ人ブルース・リウが
優勝。自分も優勝、弟子も優勝という偉業を成し遂げた。6位入賞のJJジュン・リ・ブイ
も弟子である。このコンクールでは、反田恭平さんが2位、小林愛美さんが4位
と日本人もかつてない好成績で素晴らしかった。ショパンコンクールは5年に1度
の開催なので、次回挑戦はハードルが高い。
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ダン・タイ・ソンはベトナム・ハノイの出身。ハノイ音楽院のピアノ科教授の
母からピアノを学び、モスクワ音楽院に留学。ベトナム戦争の最中は、ピアノが
使えなかったので、紙の鍵盤を使って練習をしたというエピソードが有名である。
現在はカナダ在住で、モントリオール大学で教えている。


この日のプログラムは、バッハ→ モーツァルト→ ベートーヴェン→ ショパン
最後にアンコールでドビュッシーと次々、異なる作曲家の作品を異なる表現で弾く。
ダン・タイ・ソンのピアノは、とにかく音色が美しい。玉を転がすような音色。
そしてフォルテはピアノが壊れるのでは、と思うほどの音を出していた。
会場中が聞き惚れている感じだったが、コロナ禍ゆえ、「ぶらぼー」が聞こえない
のは残念だった。


<プログラム>
J.S.バッハ/フェインベルク編
オルガン・ソナタ ハ長調 BWV529より ラルゴ イ短調

モーツァルト:ピアノ・ソナタ 第11番 イ長調 KV331「トルコ行進曲付き」
第1楽章 主題と変奏:アンダンテ・グラッツィオーソ
第2楽章 メヌエット 第3楽章 トルコ風

ベートーヴェン: ピアノ・ソナタ 第30番 ホ長調 op.109   第1楽章 ホ長調 
第2楽章 ホ短調 第3楽章 主題と変奏:ホ長調

~休憩~

ショパン:
  • ポロネーズ 第4番 ハ短調 op.40-2
  • 4つのマズルカ op.24
  • 3つのワルツ ヘ短調 op.70-2 /イ短調(遺作)/変イ長調 op.34-1「華麗なる円舞曲」 
  • 3つのエコセーズ op.72-3
  • タランテラ 変イ長調 op.43
  • 英雄ポロネーズ 第6番 変イ長調  op.53
~アンコール~
ドビュッシー
  • 「パックの踊り」前奏曲第一集より
  • 「風変わりなラヴィーヌ将軍」前奏曲第二集より。
 追記:ドビュッシーの「パックの踊り」、初めて聞いた曲だが、妖精パックがぴょんぴょん
 跳ねて踊っているかのようで楽しい。気まぐれで軽快な踊り。
 ダン・タイ・ソンのコンサートへ2017年に行った時の記事。

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