ルーベンス展(西洋美術館) [展覧会(西洋画)]
東京・上野の西洋美術館で開催中の「ルーベンス」展は、たぶん、過去最大規模の
ルーベンス展。たくさんの大きな絵に圧倒され、見終わった後に大きな満足感があります。
だって、ルーベンスは、「王の画家にして、画家の王」なのですから。
ルーベンス展。たくさんの大きな絵に圧倒され、見終わった後に大きな満足感があります。
だって、ルーベンスは、「王の画家にして、画家の王」なのですから。
ルーベンス(1577~1640)は、バロック(ドラマティックで重厚長大な絵画)の巨匠と
よばれている。
ベルギーのアントウェルペンに大きな工房を構え、弟子を使った分業体制で、たくさんの
絵を制作をし、教会や王侯貴族たちが顧客だった。(ルーベンスの家を見学した時の記事はここをクリック)
よばれている。
ベルギーのアントウェルペンに大きな工房を構え、弟子を使った分業体制で、たくさんの
絵を制作をし、教会や王侯貴族たちが顧客だった。(ルーベンスの家を見学した時の記事はここをクリック)
ルーベンスは、若い頃、イタリアに数年間滞在し、古代彫刻や、ミケランジェロやラファエロ、
カラヴァッジョなど、さまざま美術に触れ、自分の絵画を確立させた。今回の展覧会では、
ルーベンスに影響を与えたイタリア美術も展示されている。
カラヴァッジョなど、さまざま美術に触れ、自分の絵画を確立させた。今回の展覧会では、
ルーベンスに影響を与えたイタリア美術も展示されている。
ルーベンスは、良き家庭人でもあったので、「眠る2人の子供」(1612年)は、
西洋美術館蔵なので、いつ見てもほほえましく、かわいい。
西洋美術館蔵なので、いつ見てもほほえましく、かわいい。
「幼子イエスと洗礼者聖ヨハネ」(1625年)
この幼子イエスは、ルーベンスの息子ニコラースがモデルと考えられている。
イエスは羊を撫で、羊の毛皮を身につけていることから、もう一方の子供はヨハネとわかる。
この幼子イエスは、ルーベンスの息子ニコラースがモデルと考えられている。
イエスは羊を撫で、羊の毛皮を身につけていることから、もう一方の子供はヨハネとわかる。
もちろん、これぞ、バロックという絵もたくさんあった。
「パエトンの墜落」(1604年)
ギリシア神話:太陽の戦車を暴走させたパエトンが、ユピテルの放った雷を受けて墜落する場面。
のけぞった馬から墜落する赤いマントを持ったパエトン。まばゆい雷光。左手では女神たちが
恐怖におののく。
「パエトンの墜落」(1604年)
ギリシア神話:太陽の戦車を暴走させたパエトンが、ユピテルの放った雷を受けて墜落する場面。
のけぞった馬から墜落する赤いマントを持ったパエトン。まばゆい雷光。左手では女神たちが
恐怖におののく。
美術館前の看板広告に使われているのは、「エリクトニオスを発見するケクロプスの娘たち」(1615年)
ギリシア神話:ケクロプスの王には美しい3人の娘がいた。開けてはいけないと言われている籠を
3人が開けると、中には幼子エリクトニオスと大蛇が入っていた。結果、3人は大蛇に噛み殺されてしまった。
チラシに使われている絵は、「マルスとレア・シルヴィア」(1616年)の部分。
レア・シルヴィアは、王族の娘で、ローマ建国のレムスとロームルス兄弟の母。
軍神マルスに襲われ、身籠ったといわれている。ルーベンスは、この絵を描くために
当時の神殿の内部を研究資料を当たって調べた。
バロックの絵は、神話や聖書に題材をとったものが多い。
「法悦のマグダラのマリア」(1625年)
手前に頭蓋骨があることから、マグダラのマリアとわかる。悔悛後の法悦の表情だろう。
「スザンナと長老たち」1611年以前
人妻スザンナの水浴びを覗いていた長老2名は、美しいスザンナを襲おうとする。
(今なら、セクハラですぐに訴えられる) 恐怖と困惑のスザンナの表情。
人妻スザンナの水浴びを覗いていた長老2名は、美しいスザンナを襲おうとする。
(今なら、セクハラですぐに訴えられる) 恐怖と困惑のスザンナの表情。
「聖アンデレの殉教」(1638年)
縦3m、横2mの大きな絵。
ルーベンス最後の大作宗教画。聖アンデレは12使徒のひとり
殉教の最後の場面。天から降り注ぐ光。右上には天使が舞い降りてきている。
縦3m、横2mの大きな絵。
ルーベンス最後の大作宗教画。聖アンデレは12使徒のひとり
殉教の最後の場面。天から降り注ぐ光。右上には天使が舞い降りてきている。
ルーベンスらしくはないけれど、美しいのが、このカメオのような絵。
イタリアに学んだとわかる。
聖書がわからなくても、絵に内容の説明が書いてあるので、読みながら、「そういうわけね」
と、わかるようになっている。
と、わかるようになっている。
良い展覧会なので、おすすめです。
以前の記事を読みました。
そうなんですね、ネロが見たかったのは「ルーベンス」の絵なんですね。
神話や聖書の絵、説明があると分かりやすくて楽しそうです^^
この間、「古事記」の話を友だちとしていたのですが、
通じるものもあり、おもしろそうです。
by 初夏(はつか) (2018-12-13 06:38)
ぼくも行きました。久々に宗教画も堪能しました。
by gillman (2018-12-14 21:29)
初夏さん、フランダースの犬の話、かわいそうでしたね。絵が好きで、コンクールに応募したけれど落選してしまうネロ少年、見たかった教会のルーベンスの絵の前で亡くなってしまうなんて。。
古事記、天照大神が岩戸の陰に隠れて出てこないから、神様たちが、策を練るんでしたね。神様たちの恋愛話、たしかに日本でもギリシアでも神話には共通する所がありますね。
by TaekoLovesParis (2018-12-14 23:12)
gilmanさん、大きな絵でドラマティックな場面、圧倒されますね。表情がぎりぎりの感情のものばかりで、迫力がありました。私もすごい絵を見たという感動と満足感で帰りました。
by TaekoLovesParis (2018-12-14 23:15)
ルーベンスの絵、そういえばどこかで大量に見たことがあった・・・と思い返してみると、
ウィーンの美術史博物館。あまりにもごく普通に何枚もあったので最初気づかなかったという^^;。
絵画を見てると、その時代の「美」に気付かされますね。ルーベンスの時代は、男性は今とあまり変わらない筋肉質だけど、女性はかなりふくよかで^^。現代の絵画はあまり見たことがないからよくわからないけれど、細身のモデル体型が多くなるのかしらね。
「スザンナと長老たち」に関してはテオドール・シャセリオーの方がまだおっとりした感じでいいかな。見たわね、って困惑の表情がよくて。ルーベンスの方は緊迫感あって長老、怖すぎ^^;。
by Inatimy (2018-12-15 08:19)
Inatimyさん、ウィーン美術史美術館は、ルーベンス、レンブラント、ブリューゲルがたくさんありましたね。プラド美術館にもルーベンス、レンブラントのいいものがたくさんありました。私が覚えてるのは、プラドの「三美神」の3人の女性の肉づきの良さ、タップタプっていう感じがあり、驚きでした。
シャセリオーの描く裸体の女性は、彫刻のようななめらかな美しさ。歩くと肉が揺れたりは、あり得ない。じっと眺めていたいほど余分なものがなく、美しい身体。
シャセリオーの「スザンナ」、思いだせなかったので、探してみてみました。モローの描く女性にそっくりと思ったけど、モローがシャセリオーの弟子だったんでしたね。
ルーベンスの描く、スザンナを狙う長老は、嫌らしさがにじみ出てて、やぁねー。ぞっとする。
by TaekoLovesParis (2018-12-15 10:10)
私も行きました。
私が行った時はムンクやフェルメールに行く方が多いのか
思ったよりゆったりしていて見やすくてよかったです。
館内でビデオ見てたら、行きたくなりました。
by ふにゃいの (2018-12-16 19:25)
こんばんは。
特に子供の絵がとてもかわいい♡ いいお父さんだったんでしょうね。
「スザンナと長老たち」の、Taekoさんのコメントが面白いです!同感です‼
最後のカメオのような二人の横顔がすばらしく美しいです。イタリアで勉強、やはり超一流の人は、努力しているのですね。
by coco030705 (2018-12-23 20:06)
ふにゃいのさん、いくら大きい絵でも、混んでいない場所でゆっくり見たいですね。この秋の上野はフェルメールが人気でしたね。私はこれまでに来日したものを見たり、ニューヨークでいくつも見ているので、フェルメールは行きませんでした。作品点数が少ないと同じ絵が来日することになりますね。
ルーベンスの絵は大きく、さらに描写がリアルなので、印象深く、感動しますね。
by TaekoLovesParis (2018-12-29 22:19)
cocoさん、子供の絵、愛らしいでしょう。見ていると温かい気持ちになります。そうでしょうね、いいお父さんだから、子供の良さを引き出せるんでしょう。スザンナと長老たち、の絵は、いろいろな画家が描いてますから、見比べると面白いですよ。ルーベンスは見識もあり、語学に長けていたので、外交官としても活躍したのだそうです。当時の社会で一目をおかれる存在だったのでしょう。
cocoさんのサイトのフレディの曲を聴きながら、コメントを書こうとしたけれど、どうも合わなくて、、(苦笑)
by TaekoLovesParis (2018-12-29 22:31)