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デイヴィッド・ホックニー展 [展覧会(西洋画)]

デイヴィッド・ホックニー展を東京都現代美術館へ見に行った。
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デイヴィッド・ホックニーの明るい色彩の楽しい絵はイラストのようでもあり、
ちょっと視点が変わっていて明快。60年代、アメリカンポップアートが全盛
の時代に活躍をしていたので、アメリカ人と思っていたら、英国人と今回わかった。
現在86才。ずっと第一線で新しい試みをしながら活躍しているのは、すばらしい。

東京都現代美術館はホックニーの作品をかなり持っているので、1996年に
「デイヴィッド・ホックニー版画展」を開催している。今回は、往年の作品から、
最近のものまで、ジャンルも油彩画、版画、貼り絵、コラージュ、アイパッドで
描いた動画と多岐にわたり、見飽きない。実際、見ていて楽しかった。

第一室は、「春の到来 イースト・ヨークシャー、ウォルドゲート 2011年」
横10mの大きな絵であることが写真からわかると思う。スマホでのみ撮影可。
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右側の3枚は、玄関の横の景色、12か月をアイパッドで描いたもの。この後に3枚が続く。
逆側にも6枚で12か月分。色彩で季節の変化が見てとれる。


次の部屋は、「ノルマンディの12か月」。2019年からノルマンディに住んだ彼は、
全長90m、絵巻物に見立てた大作を描いた。雪がとけた早春の景色。ここから始まる。
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見ていると、鳥の声が聞こえてきそうな春の景色だった。


ノルマンディの12か月が終わったあとに、実際にアイパッドで描いてる動画9枚。
この動きがそれぞれ独立しているが、最後に一枚の絵として完成する。
絵が達者でないとできない芸当。写真上が描き始め、下が完成形。
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ここまで見終わったところで、3階に移動して、若い頃の作品を見るコース。
代表作の「スプリンクラー」もあった。

これには驚いた。立体的で、部屋のセットを作ってあるのかと思えるほど。
「額に入った花を見る」
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「スタジオにて、2017年12月」これは圧巻。
3000枚の写真をフォトグラメトリという技術を使って作られてた作品。
不思議なことに本物の写真以上に立体感があり、スタジオを上から眺めている
気分になる。フラアンジェリコの「受胎告知」似の絵がスタジオ内正面に飾られ
ているのは何か意味が?


日本から影響を受けて作成した「龍安寺の石庭を歩く」1983年もあった。

ご本人の最近の「自画像」は、黄色地に黒とオレンジ色のチェックという
目立つスーツ姿で椅子に座っている。エルトン・ジョンに似てるような。
実際の写真もあり、そちらのほうがこの「自画像」よりいいと私は思うけど(笑)


最初から最後まで楽しめます。おすすめ。
展覧会のサイトはこちら。







nice!(34)  コメント(12) 
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コメント 12

よしあき・ギャラリー

明るいですね!
by よしあき・ギャラリー (2023-08-14 06:09) 

ナツパパ

理屈抜きに愉しめそうな展覧会ですね。
暑い時にピッタリの画風とも感じました。
by ナツパパ (2023-08-14 08:31) 

yk2

ホックニーの名前は知っていても、作品は全然思い浮かばないワタクシですが、ほんと、明るい色調の絵で題材も花や木々のある風景が多く、穏やかで可愛らしさもある。現代アートもこんな具合だと解りやすいし親しめますね。

『春の到来 イースト・ヨークシャー、ウォルドゲート』はパターン的に木が並び、日本人である僕らには琳派的な印象にも受け取れますね。はたまた、画面ど真ん中にライオンを置いて、シマウマにでもガブッと噛みつかせてみたら・・・なんて思い浮かべたら、他の絵までも途端にルソーっぽく見え始める(笑)。タッチだとかは別として、色使いから、イラストレーターの松尾たいこさんの作品も思い出しました。どっちも、女性に好まれそうな絵ってコトかな(^^。
by yk2 (2023-08-14 12:10) 

ふにゃいの

これは絶対に見に行こうも決めているのですがまだ行ってません。
多分ナイト・ミュージアムに行く予定。
今読んでいる本がホックニーの本なのですが、今どきめずらしい超細かい文字で
苦戦しつつも
ホックニーの考えや、
絵に対するアプローチの仕方がわかって面白いです。
by ふにゃいの (2023-08-14 15:38) 

angie17

なんとも気持ちの良い絵ばかりですね!
理屈抜きで楽しめる、そんな作品を作り続けるのも、
それは偉業ですね。
by angie17 (2023-08-14 17:56) 

TaekoLovesParis

nice&コメントありがとうございます。
▲よしあきさん、緑色が特に明るいです。東京都現代美術館は、天井が高いので、この大きな絵を置くのに、ぴったりの場所でした。

▲ナツパパさん、暑い時のグリーンは爽やかで涼をよびますね。さらにアイパッドで描く絵は、PCの液晶モニターだから透明感のある明るさです。そして広い会場は、暑苦しさを忘れさせてくれます。ここ木場からさらにバスと遠いので、車で行くほうが良いです。

▲yk2さん、ホックニーは60年代からポップシーンで活躍してるので、名前を聞くことが多かったと思います。イラスト調だからわかりやすくていいですよね。私も「春の到来 イースト・ヨークシャー、、」を見たとたん、アンリ・ルソーの描く密林が思い浮なるほど~。そういえば琳派の木々にも似てますね。季節が違うけど、下村観山の屏風「小倉山」「木の間の秋」も浮かんできます。松尾たいこさん、知らなかったから、みてみます。

▲ふにゃいのさん、この展覧会、行ってよかったです。暑い夏の日でも気持ちが爽やかになります。私もナイト・ミュージアムの日の4時半頃行ったので、
10分並んだだけで入れました。私は、《スタジオにて、2017年12月》が仕掛けがいろいろあって、一番、面白かったです。
ホックニーは本も書いてるんですね。

▲angieさん、83歳でアイパッドを使いこなす、ってそれだけでもすごいです。画力もアイディアも半端なくて、色合いも爽やか。一緒に行った普段、美術館へ行かない友達も楽しんでくれました。
by TaekoLovesParis (2023-08-15 10:15) 

Inatimy

デイヴィッド・ホックニー展、私が観たのは89年。
さっき検索してご本人の姿を見て、時の流れを感じました^^;。
プールで泳いでる人と、それをプールサイドから覗き込んでる人の絵が、
なぜか印象に残ってます。
by Inatimy (2023-08-15 18:34) 

TaekoLovesParis

Inatimyさん、デイヴィッド・ホックニー展にいらしたことがあるんですね。
プールの絵は、数点ありましたが、私が覚えてるのは、飛び込み台から人が飛び込んだ後らしく、波紋ができているのだけど、人が見えない絵です。見えないほど深く飛び込んだ?飛び込み専用プールでもないのに、と不思議に思いました。
「え?どうして?」と思える絵が多いので、謎ときをしてるようで面白かったです。
by TaekoLovesParis (2023-08-15 21:22) 

coco030705

こんばんは。
デイヴィッド・ホックニー展、すばらしいですね。色彩が美しいです。観てまわっていると、気持ちがウキウキしてくるのではと思いました。
アイ・パッドで描いている絵が、色が鮮明ですばらしいですね。初めてみました。

by coco030705 (2023-08-16 00:17) 

TaekoLovesParis

cocoさん、明るく楽しい気持ちになる展覧会でした。絵本のようなかわいさもありました。アイパッドは液晶画面だからとても明るいので、動画の動きもくっきり鮮明でよかったです。関西に巡回するのかしら。
by TaekoLovesParis (2023-08-18 00:25) 

おと

うわぁ、素敵ですね~!10月末くらいに日本に一時帰国予定なので、ギリギリ間に合うかもしれません。行けたらいいなぁ。
by おと (2023-08-19 03:28) 

TaekoLovesParis

おとさん、会期が長いんですね。いい展覧会は大勢の人に見てもらうためにも、会期は長いほうがいいですね。東京都現代美術館は、私には行きにくい場所ですが、常設展に楽しいものがあるし。以前、見てよかったのは、「オラファー・エリアソン」展。https://taekoparis.blog.ss-blog.jp/2020-09-19
空間や光を使った体験型の展示です。
by TaekoLovesParis (2023-08-23 12:04) 

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