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ピュイ・デュ・フー(フランスの歴史テーマパーク) [旅行(ヨーロッパ)]

「どこか旅行に行く?」とE子にきくと、「行ってみたいとこがあるの。
ちょっと遠いらしいんだけど。歴史のテーマパークで、ピュイ・デュ・フー
っていう名前。TVで何回も取り上げてるんだけど、規模が大きくて一日じゃ
まわれないから、2~3日必要みたい。」「それ、行ってみましょ!」

普段、パソコンを使わない、メールもしないE子なのに、行きたさ一心で、
パソコンで調べ始めた。思い当たるものがあると2部ずつ印刷をするので、
紙の資料がたくさん出て来た。
パリから南へ264㎞、TGVで1時間半の「アンジェ」という駅で降り、そこから
送迎バスに1時間以上乗る。列車とホテル、2日分の一日入場券を予約した。
列車はモンパルナス駅から乗る。駅の入口の横はマクドナルド。
写真でわかるように、涼しい日だったので、みんな長袖を着ている。
駅の向こうのビルがモンパルナスタワー。
駅2.jpg
これはホームにいた列車。楽しそうな塗装。
列車2.jpg
日本にも出店している「ゴントランシェリエ」があったので、クロワッサン・ダマンド
とコーヒーを買って列車に乗った。写真中央にある文字「VIENNOISERIE」は、
菓子パンの意味で、クロワッサン
やカヌレ、パンショコラなどのこと。
ゴントランシェリエ.jpg



「アンジェ」で降りると、大型の送迎バスがいたので、乗って、終点に。
入口で、その日の催し物のスケジュール表と園内地図が配布される。

PuyDuFeu_Panf2.jpg

入口は2つあるが、送迎バスは正面玄関でなく「Nocturne」ゲートのそばについた。

PuyDuFou_Entre.jpg

ここを作ったのは、ピエール・ド・ヴィリエという資産家の貴族で政治家。
小さい頃から歴史が好きで、歴史のテーマパークを作るのが夢だったそう。
1977年、
ピュイ・デュ・フーというイラクサに覆われた廃城をロワール地域の
ヴァンデ県で見つけ、地元の人の協力を得て、野外劇のテーマパークを作った。
劇の出演者や騎馬などは地元の人がボランティアで協力している。
ピュイ・デュ・フー城は、修復後、30分見学ツァー「城の歴史」をしている。
列に並んで1時間近く待って、中に入った。

PeuDuFeu_Castle.jpg

城の中で、刀剣や甲冑、蔵書などを見たあと、見学者は長い廊下の両脇に立って、
衣装をつけた王様と王妃の優雅なダンスを見学。
ドーム型の大きな照明と思ってたものは、なんとドレスの形になっていた。

PuyDuFou_Castle_Promenade.jpg


ローマ時代のような円形野外劇場は4か所にあり、それぞれ出し物が異なる。
「アーサー王」「ヴァイキング」「鳥のショー」「ジャンヌ・ダルク」の30分劇
が、時間を決めて行われる。
入れ替え制なので、並んで、開始時間20分前から案内に従って入場をする。
最初に行ったのは、「アーサー王と円卓の騎士の物語」の劇場。本格的なセットが
作られていた。開演前の時間、前に立っている人たちが、「いかがですか?」と、
お菓子や飲み物を売っている。

PDF_Arther.jpg

時間になり、大音量と共に劇が始まった。
ナレーターがコメディフランセーズの有名俳優なので、リズム感あふれる仰々しい語りに
誘われ、すぐに中世の物語の世界に入り込める。アーサー王と円卓の騎士の物語。
中央に黄色い木製の円卓があり、騎士たちが王に忠誠を誓っている場面。
この後、皆が器ごと水に沈んで、話が終了。

PDF_Artheur4.jpg

次は、鳥のスペクタクル。
鷹匠のような鳥使いの合図で、遠くから、鷹が飛んできたり、一斉に空を舞ったりする、
動画で見ていただけたらいいんだけど。
PDF3.jpg
ヴァイキング物語は、平和な村の川に、ある日、いきなりヴァイキングの船が現れる!
村人たちが、火を投げたり、石を投げたりで、立ち向かい、戦い、追い返す。
船は水の上を上ってやってくるし、火が燃えたり、煙が出たりと戦いのようすは、
結構リアル。もちろんの大音響。
PDF_Viking.jpg


夜は、室内の劇場、コンサートホールで、「三銃士」を見た。
舞台の上を何頭もの馬が駆け回り、何人もの人が剣を抜いて戦い、水も撒かれ大迫力。
フラメンコやスペインの踊りが興を添え、照明がさざめく。撮影禁止なので写真は無し。
舞台の様子はここに動画あり

夜は、ほかに池のほとりで、光と花火のショーがあり、ダンサー1200人が
出演という大パノラマだそう。
フランスは、日没が夜9時頃なので、一日が長く使えるが、私たちはホテルを
隣町にとったので、8時にパークを出た。
地図の上では隣町だったけど遠い。30分以上乗って100ユーロ(チップ込み)。
翌日、また予約しておいたタクシーでパークへ。

見たかった「ジャンヌ・ダルク」
百年戦争の時、英国の占領下のオルレアンで「ジャンヌ・ダルク」が英国軍を追い返す話。
ピュイ・デュ・フーでは、領主の娘が魔力を持つ槍で城を守った。
各村から兵士が集まって出陣のようす。
PDF1.jpg

疾走する馬に乗っての一人一人順に、アクロバット芸を見せる場面が超迫力。
一人終わるたびに拍手。地元の人が訓練を重ねてできるようになったのだそう。
戦いが始まり、燃える城、城壁をよじ登る戦士たち。

PDF_Jannue.jpg


迫力満点、すばらしい劇だった。時代考証をきちんとやっているのだそう。
これらのほとんどが、地元の人たちの出演ということで、訓練の様子を
TVでやっていたのをE子は見て、行きたいと思ったのとのこと。
なんと年間220万人の入場者があるそうだ。


かかった費用は、飲食代を除いて2人で約16万円。(1ユーロ160円計算)
パリから1泊2日で、
列車(国鉄TGV) 60000円
送迎バス往復   11000円
タクシー(ホテル往復)32000円
入場チケット2日分 30000円
ホテル代   28000円


夏休みなので家族連れが多かったです。ホテル数が少ないので、近隣の町の
ホテルに泊まることになったけど、マイカーだったらタクシー代はいらないですね。
1ユーロが120円だったら、日本で東京からUSJへ1泊で行くのと変わらない値段。
円安は、海外旅にはきついですね。


 




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angie17

貼って下さっていた動画を見ました。
本物の馬が何頭も走るし、水もジャンジャン出るし、
踊るお姉さん達もダイナミックで、引き込まれました。
これは行きたくなりますね!
by angie17 (2023-08-26 17:24) 

TaekoLovesParis

angieさん、見てくださってありがとう。こういうライブ感は、写真より動画のほうが伝わります。遠いけれど、行ってよかったです。そうだわ、カードの請求が来たから、かかった費用がわかるので追記しておきます。
by TaekoLovesParis (2023-08-26 23:47) 

あおたけ

ホームに停まっていた列車、
カラフルなデザインがお洒落ですし、
二階席からの眺めも良さそうですね(・∀・)
歴史のテーマパークって聞くと
ちょっとお堅い印象ですが、
円形野外劇場で催される舞台は見ごたえあって
その世界に引き込まれそう!(*'▽')
by あおたけ (2023-08-27 07:46) 

TaekoLovesParis

あおたけさん、見た目に鮮やかで楽しそうな列車ですよね。別の日、これに乗ったのですが、中は、東海道線の二階建てとたいして変わらずでした。
ピュイ・デュ・フーに行く時、乗ったのは、TGVなので、白地に赤で大きな inOui の文字。数年前からフランス国内のTGVは、ブランド名の inOui (イヌイ)を使うことになりました。TGVのユーロスターとかタリスというように、TGVのイヌイと言うようです。
by TaekoLovesParis (2023-08-27 11:05) 

ナツパパ

いわゆる夢の国、というより歴史の再現、といったところなのでしょうか。
背景の建物やいろいろな仕掛けが本格的で、書割風ではないのがいいなあ。
...もうひとつはご当地の皆さんの長袖...うらやましすぎて涙です(笑)
by ナツパパ (2023-08-27 14:05) 

ふにゃいの

エンターテイメント付き、テーマパーク
といいながらも、
作りものではないお城をつかって
というのがすごいですね。
私もあとで映像見てみよう!
ドレス型の明かりもきれいですね。
by ふにゃいの (2023-08-27 18:15) 

Inatimy

Puy du Fou、オランダにもできるみたいです。7月のニュースでそんな話が出てました。
ドレンテ州のMeppel メッペルだったかな。いつ完成するのか、まださっぱりわからないけど。
ニュースでフランスでのショーの様子が流れてたので、いいなぁ、行ってみたい、と
思ってたのでした^^。中世の街並みも再現されてて、すごく凝ってますよね、ショーも。
by Inatimy (2023-08-27 22:00) 

yk2

今回のご旅行は、いつもの美術館巡りではなくお城と歴史パターンだったんですね。本物のお城使ってるだけあって、日本の某お江戸テーマパークみたいな造り物のトコとは風格が違いすぎる(^^;。
by yk2 (2023-08-27 22:05) 

TaekoLovesParis

nice&コメントありがとうございます。
▲ナツパパさん、セット、大道具にお金をかけてます。そして出演者の訓練には、お金と時間をかけて本物志向。さすが名だたる資産家です。ヨーロッパのお金持ちは日本とはスケールが違います。友達の声楽マスターコースに聴講生として参加。ポルトガルのマテウス城に泊まったのですが、お城と周辺の土地や山々は全部、伯爵の持ち物。音楽好きの伯爵は毎晩。私たちと一緒に食事・歓談をし、自分の畑のワインをふるまってくれました。声楽家育成のためにと超一流の講師を呼びマスターコースを主催。文化への貢献度が高いのです。
私も2週間、ずっと長袖だったので、帰国後、暑さでぐったりでした。

▲ふにゃいのさん、営利目的でないテーマパーク。乗り物系のアトラクション一切なし、文化度の高いパークです。来ている子供たちがお行儀がいいので、気持ちが良かったです。
ドレス型の灯りは、部屋を出るとき、振り向いて、遠見で初めて気づきました。スカート部分しか見えてなかったので、ドーム型だと思ってました。

▲Inatimyさん、オランダにもできるんですか!ドレンテ州のMeppe、地図で見たら、アムステルダムやハーグから遠いですね。広い土地が必要だから、
そこが選ばれたのかしら。ショーや劇は、どれもレベルが高くて感心しました。全部は見れなかったけど、見たいものは見たので満足でした。サンドイッチ販売の売店やレストランはそれほど高くないし、美味しいので、良心的だなと思いました。

▲yk2さん、お金をかけて作っているので、ちゃっちくないんです。村の人たちが訓練を受けて出演をしてるというのが、すごいです。一種の村おこしですよね。鷹匠の鷹たちは200羽いるので、専用の森がありました。その森を通り抜けて、会場に行くようになってるので雰囲気作りも考えてあるなと感心しました。
by TaekoLovesParis (2023-08-28 00:55) 

ぼんぼちぼちぼち

ドレスの照明、すっごく素敵でやすね!
by ぼんぼちぼちぼち (2023-09-01 13:40) 

TaekoLovesParis

やはり、おしゃれなぼんぼちさんにも注目されるドレスなんですね。
by TaekoLovesParis (2023-09-02 11:15) 

おと

見どころたっぷりで楽しいですね~。
廃墟をテーマパークにしたというところ、さすがだなぁ。
鷹のショーも、迫力ですね!
by おと (2023-09-03 06:35) 

TaekoLovesParis

おとさん、これはおすすめです、と言っても、英国からでは遠すぎて。。
とはいえ、いろいろな国から人が来ているので、英語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語といろいろな言葉が聞こえてきてました。
鷹のために、専用の広い森があるので、力のいれかたがわかります。動画で
お見せできないのが残念。
by TaekoLovesParis (2023-09-05 01:26) 

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