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リージョン・オブ・オナー美術館(2) [外国の美術館、博物館]

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美術館からは、サンフランシスコ湾が一望のもと、海が見えて気持ちがいい。
正門を入った広場に、ロダンの「考える人」が鎮座していたが、ロダン作品がいくつもあるので、
丸天井のドームのような明るいロダン部屋がある。
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(Ⅲ)19世紀
展示室には、彫刻を適宜、配置してあり、アクセントになっている。
ロダンの師Carrier Belleuse 「スコットランドのメアリ女王」 1860年

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メアリ女王の彫刻の後ろに見える絵は、英国のラファエル前派に属する
ウィリアム・ホフマン・ハントの「誕生日」1868年
妻の21歳の誕生日の記念肖像画。ルネサンス風の構図で豪華な衣装。
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一際明るい風景で人目を惹くのは、英国人エドワード・リア 「MASADA」 1858年
MASADAは、この頃、発見されたイスラエル、死海の城址遺跡。
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フランス革命で、ロココの画風は凋落し、古典的画法の新古典主義がもてはやされた。
そして、より一層躍動感を求めた色彩豊かなドラクロワに代表されるロマン派も生まれた。
左)新古典主義の女流画家エリザベート・ヴィジェ・ルブラン「Mornington伯爵夫人」 1791年 
右)ドラクロワ「Charles de Verhinacの肖像画」 1826年


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左)カロリュス・デュラン「マリー=アンヌ・カロルス・デュラン(アーチストの娘)」
  犬と少女、かわいい! 
右)バスティアン・ルパージュ 「サラ・ベルナール」1879年
大女優サラ・ベルナール、威厳あふれる表情。手に持っているのは、竪琴を弾く人物の木彫。

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この時代、中東(オリエント)への憧れがあり、中東を描いた色彩豊かな絵は人気だった。
ジェローム「The Bath」 1880年   目撃者のような視点で描かれた絵。
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写実主義で、貧しい庶民の生活を多く描いたドーミエ 「三等車」1856年
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(Ⅳ)印象派(1874年~ 

シスレー  ロワン河岸 Banks of the Loing 1891年
シスレーは、ロワン河岸のモレ=シュル=ロワンで晩年の10年を過ごしたので、
ロワン河岸を描いた作品はいくつもある。これは緑がまばゆく美しい。

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ピサロ 「ディエップの港」 1902年
ノルマンディ地方の港町ディエップは、ドーバー海峡に面し、ピサロの時代には、
フランスでも有数の保養地だった。ピサロにしては珍しい海を描いた絵。

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左)スーラ「エッフェル塔」1889年 
右)マネ「キリストの頭部」晩年の作品。キリストの表情を描いている。
宗教画の主題だが、描き方は近代風で注目された。
 この絵は、シカゴ美の「兵士に侮辱されるキリスト」の表情研究として描かれた。

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ドガ「トロッティング(速足)で走る馬」
左後ろに、ルドンの絵。

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美しい大理石の彫刻。
ジュリオ・モンテヴェルデ「少年時代のコロンブス」1892年
左後ろは、英国のアルマ・タデマ「見晴らしのよい場所」1895年

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左)モネの「睡蓮」
右)カイユボット「セーヌ川沿いのひまわり」1885年
カイユボットはパリ郊外アルジャントゥイーユのレガッタで有名な場所に別荘を
持っていた。遠くのレガッタを庭に咲くひまわり越しに見ている。
 

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ルノワール、セザンヌ共に森を描いた風景画、ロートレック、ファンタン・ラトゥール
作品は、私にとっては平凡だったので、写真は撮らなかった。
ゴッホの栗や洋梨がある静物画、マネの少年、帽子屋など、パンフに載っている
見たい作品は、貸出中とのことだった。

もっと時間があれば、ゆっくりと過ごしたい美術館だった。
ここのチケットで、少し離れた所にあるアメリカ美術専門の美術館にも行けるように
なっていた。



nice!(31)  コメント(13) 
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コメント 13

gillman

カイユボットいいですねぇ。
by gillman (2019-09-13 09:18) 

バニラ

ドーム状のロダン部屋、いいですね。
メアリ女王の彫刻、細かいですね。間近でみたい!
by バニラ (2019-09-13 13:32) 

coco030705

こんばんは。
美術館の敷地の広さに驚きます。やはりすごい国だと思いました。

すばらしい作品ばかり。ドラクロアの肖像画、青年の利発そうな魅力に惹きつけられました。犬と少女の絵もすごく可愛いです。ポーズがおしゃまな感じですね。
シスレーの風景画、心が穏やかになります。ピサロもいいですね。
マネの「キリストの頭部」、とても人間味のあるキリストですばらしいと思います。
モネの睡蓮は、赤とブルーの対比がすごく鮮やかで美しいですね。カイユボット展は、以前Taekoさんの記事を観て、ブリジストン美術館へみにいきました。構図が斬新ですね?
この美術館、ほんとうにすばらしいです。アメリカの底力を感じずにはいられませんでした。
by coco030705 (2019-09-15 01:10) 

Inatimy

エドワード・リアのギャップに驚き・・・。
「MASADA」は光の加減が美しい絵だなと思って、他にどんな絵を描いてるのかなと
検索したら、奇妙でおかしな挿絵みたいなのがヒット^^;。
カロリュス・デュランの少女の絵のタイトルは、"Marie-Anne Carolus-Duran (The artist's daughter)"でした。訳すと「マリー=アンヌ・カロルス・デュラン(アーチストの娘)」となるのかしら。お嬢さんの肖像画だったみたいですね。可愛い^^。
ジェロームの絵、いいですよね。オルセー美術館で展覧会に行きました。お風呂場によく描かれてる高下駄のようなのがいつも気になるんですよね。
これ履いて歩いたら滑りそうで怖いなって。
アルマ=タデマ、生まれはオランダで、のちに英国に帰化したんですよね^^。私が最初に見た絵がオランダで、斜めにした正方形の額に入ってたので印象的で。
by Inatimy (2019-09-15 04:15) 

coco030705

Taekoさん、またお邪魔します。
ドガの馬の左後ろの絵、魅力的だと思ったら、ルドンのだったんですね。解説を見逃してました。さすがです☆
by coco030705 (2019-09-15 11:06) 

TaekoLovesParis

nice&コメントありがとうございます。
▲gillmanさん、私もカイユボットの視点、構図、上品な色合い、大好きなんです。自宅の庭から岸辺に咲くひまわり越しにレガッタを見た作品ですが、水の反射、清涼感がいいですね!

▲バニラさん、ロダン部屋、写真の下半分だったら、西洋美術館も大して変わらないのに、この光さすドームの部屋に置かれていることで作品が生きますね。この部屋は音響もいいので、オルガンがあって、時々ミニコンサートが開かれるのだそうです。
スコットランドのメアリ女王、上品で美しい顔立ちによく似合う巻き毛のカール、ティアラ、豪華なネックレス、ドレスの前立てのレース、袖のフリル、、、それを彫刻にしてるのですから。。見とれてしまいました。

▲cocoさん、建物もすばらしいし、立地もサンフランシスコ湾を見下ろす高台とすばらしいです。でも、交通は不便、バスだけです。
魅力的な絵が揃ってました。犬と少女、かわいいでしょ。見とれて、タイトルを撮るのを忘れましたが、描いた画家デュランの娘だそうです(Inatimyさん有難う)シスレーの中でも、こんなに緑あふれる景色は少ないんじゃないかしら。見ていると落ち着く絵ですね。畑を描くことが多いピサロの海も珍しいし。マネの「キリスト」は、シカゴ美術館で見た「兵士に侮辱されるキリスト」のキリストの顔なのです。表情研究で何枚か描いたのでしょう。
モネの睡蓮は、後半、もやっとしてくるけれど、これは初期なのでしょうね。カイユボット、「ヨーロッパ橋」がポスターだったブリヂストンでの展覧会、よかったですよね。
ルドンの絵は「Vase of flowers」 1901年。背景と花瓶が同系色の絵は珍しいと思いました。
いつも、丁寧に見てくださって、ありがとう。
by TaekoLovesParis (2019-09-15 13:51) 

TaekoLovesParis

Inatimyさん、たくさん、調べてくださってありがとうございます。
エドワード・リアのこの明るい色彩は、部屋の中でも異彩を放つほど目立っていました。MASADAの意味も分からなったので、帰ってから調べ、他の作品は?と探し、、私もInatimyさんと同じ感想でした。
カロリュス・デュランの少女は、あまりにも可愛くて、絵だけ撮って、タイトルは撮り忘れたので、教えて頂いてありがたかったです。西洋美術館の常設に「母と子」という三角形構図の美しい絵があるんだけど、母は、デュランの娘、すなわち、この少女が成人し母となった絵とわかりました。

Inatimyさん、オルセーのジェローム展の記事、闘剣士、今、再読。高下駄が描かれてるかなと思って。Inatimyさんの視点はいつも面白いわ。高下駄、私は椅子でもないし、、何だろうって、わからなかったの。これはお風呂場で危ないわね(笑)

アルマ=タデマは、当時、超人気だったので、英国からサーの称号をもらうんですよね。しかも、Wikiで、アルマ=タデマを調べたら、いきなり、この絵が出ていたので、びっくり。そんな代表作を持ってるのね、って思いました。

by TaekoLovesParis (2019-09-15 14:20) 

よしころん

taekoさん、こんばんは。
コメントありがとうございました。

>以前、六本木のフジフィルムで開催されていたのと同じかしら?
全日本山岳写真展の公募展および写真展は毎年東京芸術劇場で開催されていますので別だと思います。
六本木 富士フイルムスクエアでは毎月様々なジャンルのな素晴らしい写真展が開催されていますね。こちらでの写真展は自由に拝見出来るのでこの辺りの美術館に訪れる際は必ず立ち寄っています^^

期間中、池袋に行かれるような際は東京芸術劇場での写真展お立ち寄り頂ければ幸いです♪
by よしころん (2019-09-15 20:07) 

コザック

taekoさん こんばんは
この記事は、何度も見返しちゃいました☆
この写真をおかずに、何杯もごはんが食べられちゃいますね(^_-)-☆
目を奪われる作品の数々は、実際の美術館はどんなにもすばらしいんでしょうね!!
by コザック (2019-09-16 00:05) 

TaekoLovesParis

よしころんさん、いつも山の写真をすばらしいと思って拝見しております。
来週、芸術劇場で迫力ある入選作の実物を見せていただきます。
by TaekoLovesParis (2019-09-16 11:41) 

TaekoLovesParis

コザックさん、コザックさんのブログの美術館記事を読んでいると、どんどん鑑賞力をあげていらっしゃるのがわかります。感動や感想をお茶目な表現でさらりと、に、思わず、にやっとしてしまいます。
この美術館、こじんまりと充実していて、インテリアはパリの有名な邸宅をまねたと書いてある通り、お宅訪問の雰囲気もありました。
by TaekoLovesParis (2019-09-16 11:46) 

初夏(はつか)

「サラ・ベルナール」、美しいですね~。
ちょうど横須賀美術館で、
「サラ・ベルナールの世界展」が開催されているそう。
Taekoさんのブログで「横須賀美術館」を知り、
素敵だなーと思っていたので、行ってみようと思います^^
by 初夏(はつか) (2019-09-17 06:27) 

TaekoLovesParis

初夏(はつか)さん、私も新宿駅に貼られていたポスターで、横須賀美術館で「サラ・ベルナールの世界展」が開かれているのを知りました。隣に貼ってあったのは、「みんなのミュシャ展」の広告。ミュシャには、サラ・ベルナールモデルにしたポスターがいくつもありますね。
ここのサラ・ベルナールは凛として、大女優という風格ですね。サラ・ベルナールは、Sarah Bernhardt というスペルなので、すぐにわからなくて。。
by TaekoLovesParis (2019-09-18 00:08) 

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