レストラン・マリークロードとワイン

コロナでの外出自粛が続いているので、おいしかった思い出話です。

「マリークロード」は、70年代にフランス料理のレストランが六本木周辺に
出来始めた頃、開店した日本のフレンチレストランの草分け的な存在。
シェフの長尾和子さんは、食の都リヨンの有名レストランで修業した日本初の
女性シェフとして開店早々、新聞・雑誌にとりあげられた。

昔のことなので、記憶があやふやだが、広くないが、白を基調とした明るい
店だったと思う。友達と「この間行った『ビストロ・ド・ラ・シテ』よりこっち
の方がいいわね、なんて話したのは覚えている。

さて、それから月日は流れ、2018年。y から私の誕生祝いに、アロース・コルトン
を飲もうという嬉しいお誘い。ブルゴーニュ地方のアロース・コルトン村は
「ブルゴーニュで会いましょう」という映画の舞台になった有名なワイン村。
「アロース・コルトン、名前は知ってるけど、飲んだことがない。飲んでみたいわ」
と、yと一緒に飲んだ時に言ったらしい。それも熱心に。（飲んでいるときに話した
ことを忘れる傾向あり）
しかも飲む場所はマリークロードですって！ここのお料理と飲みたかったワインを
一緒に、、まちがいなく至福の時。なんて素晴らしいのでしょう。
私とｙは、いつも赤と白2本を飲む。お店に顔がきくｙが1本持ち込んだ時があるが、
この日は、「誕生日だから」とお願いして、特別に前代未聞の2本の持ち込み。

アロース・コルトンは赤ワインなので、「白はこれにした」とｙが用意して
おいてくれたのは、ドメーヌ・リオンの「ニュイ・サン・ジョルジュ」2011年。
さっそく、白を開けて「乾杯」と飲み始める。

前菜１は、白イカと帆立のタルタル。人参のピュレに煎り酒を使ってるそうだ。
「ニュイ・サン・ジョルジュ」のラベルの一番下に「LES TERRES BLANCHES」
＝白い大地と書いてあるように、石灰岩の多い土地なので、一口目でミネラルの
豊かさを感じる。バランスもよく端正。何のお料理でも合いそう。
実際、タルタル（刺身）とも、品よく合う。

前菜２は、ロールキャベツ、バルサミコソース
これにもドメーヌ・リオンの「ニュイ・サン・ジョルジュ」は、しっとり寄り添う。
少量生産で希少価値なのだそう。ワインに詳しいｙがいろいろ説明してくれて、
知識がふえ、楽しかったのだけど、今は忘れてる。ゴメンナサイ

前菜３は、ひらめのカルパッチョ。きれいな色の大根の新品種。

スープ：カブのポタージュだったかしら。クリームを上にのせて。

魚料理：鯛のソテー、スライスアーモンドのせ

ここから、抜栓しておいた「アロース・コルトン」へ移る。2011年、造りては、
シモン・ビーズ。深い赤色。カシスの香り。しっとりと豊かで温かみのある味。
いける、いける！

肉料理：牛肉の赤ワイン煮
もちろん王道。赤ワインとこの料理。
天才醸造家といわれたシモン・ビーズの家を今はご主人亡き後、日本人の
奥さんが継ぎ、2008年からはビオ。

デザート：バースデイケーキ。苺できれいに飾って。
うれしいなぁ。これがあるから、年をとってもいいわ。

というわけで、美味しいディナーコースに、飲みたかったワイン。
楽しく嬉しい誕生日ディナーだった。
記事にするのが、こんなに遅くなったけど、メルシー、ムッシューｙ。

さかのぼること1年前、2017年。
同じく、マリークロードでのディナー。
写真が全部そろってないけれど、この時もおいしかった。
ｙが言うように、ここのお料理は、「優しい味」。
「年とると、フレンチは重いから」と敬遠されることが多いが、ここのお料理
だったら大丈夫。濃い味ではないが、一皿、一皿に、奥深い味付がなされ、
丁寧につくられたお料理。

それなのに、閉店は残念。長尾さん自身は、「やりたいことは全部やった」
というお気持ちなのでしょう。Happy Retire!

この時、飲んだのがパトリス・リオンのブージョ「VOUGEOT」の1erCru 2011年。
クロ・ブージョは特級GrandCru。そこの1erCruCru　なので、ふくよかで、さらっと
飲めて、とても美味しかった。
これは赤ワインなので、抜栓して開くのを待つ間、まずは、とお店のシャンパン
「ローラン・ペリエ」をボトルで頼み、飲み始めたのだった。

コメント 13

素敵なレストランでお食事とプレゼント♪
美味しくて嬉しい思い出ですね＾＾

by よしころん (2020-05-22 07:57) 

美味しいものと美味しいワイン、良き友・・
最高の時間だったことでしょうね。
好きなお店が無くなるのは寂しいでしょうが、
思い出は無くなりませんからね！
by angie17 (2020-05-22 12:57) 

すばらしいお料理ですね。最初のお写真のイカとホタテのタルタル、食べてみたいです！味が想像できます。それに、赤い人参のピューレが美しく、観て楽しめる一皿ですね。最後のケーキ、文字がケーキのサイドに書いてあるのがオシャレ。他の店もこうしてほしいな。
二つ目もいいお料理が並んでますね。こんないいお店が閉店なんて、惜しいですね。でも、人生色々な生き方があるから、そう決断されたシェフはこれからも良い日々をおくられることでしょう。
早くおいしいものを食べに行きたいです。気持ちが縮こまっている気がしますね。
by coco030705 (2020-05-22 13:51) 

飲んでみたいとおっしゃってたワインをお気に入りのお店で、素晴らしい誕生日のお祝いですね＾＾。
Taekoさんの言葉を覚えてらっしゃったyさんも、素晴らしい。
どのお料理も美味しそうです。　それに野菜の使い方が絶妙。
お誕生日ケーキのイチゴが花びら状で、花みたいなのも素敵♪
白いお皿の中に、一枚、柄物が入るのもハッと目を引きます。
by Inatimy (2020-05-22 18:48) 

どのお料理も美味しそうでやすね。
あっしは胃が弱いのでとてもコース料理は食べ切れないので、堪能できて羨ましいでやす。
by ぼんぼちぼちぼち (2020-05-22 20:01) 

おいしそうですね。
最初の写真の皿がインパクト大です。
ちょっと和のテーストも感じます。

by やまびこ３ (2020-05-23 08:14) 

taekoねーさんはご覧になったかなぁ。NHKのBSで数年前に放送していた『世界で一番美しい瞬間（とき）』って、同局のアナウンサーたちが世界中の、その瞬間にだけしか見ることが出来ない美しい光景を求めて旅する番組。
そのブルゴーニュの回が、コートドールが本当に黄金色に染まる収穫時にサヴィニー・レ・ボーヌを訪れ、シモン・ビーズで収穫を手伝うって企画だったんですよ。ご主人が事故に遭って他界され、それまでの”マダム役”から急遽ワイン醸造の最前線に立って全面的にドメーヌを率いなければいけなくなった千砂・ビーズさんの現在進行形の物語は、もし映画にしたらきっと『ブルゴーニュで会いましょう』よりよほど波瀾万丈で感動的。もし未見だったら、いつか再放送でで絶対チェックして欲しいなぁ。

ああ、こんな事書いてたら、シモン・ビーズのワインが今すぐ飲みたくなっちゃいますね。アロース・コルトンだなんて贅沢は云わないので、キリッとしたボーヌ白で（＾＾。
by yk2 (2020-05-24 08:55) 

料理とワインのマッチングが良いと、食事が一層美味しくなりますね。
ワインに詳しい友人がいるといいなあ。
わたしもそういう友人が欲しいと思うこの頃です。
by ナツパパ (2020-05-24 10:50) 

日本初の女性シェフのお店なんですね。でも、今は閉店?
それは残念です。女性シェフなんていうと、テレビの鈴木京香さんを思い出してしまいます。
料理は、前菜からロールキャベツバルサミコソース、ヒラメのカルパッチョも、アートですね。さすが女性らしい優しい感じのアートだなぁ。
それにしてもお二人でワイン2本、お店であけられちゃうのですか?
すごーーいです @@; 笑笑

by moz (2020-05-24 13:44) 

nice&コメントありがとうございます。
▲よしころんさん、そうなんです。行きたかったレストランで飲みたかったワイン、最高の組み合わせです。幸せなディナーでした。

▲angieさん、＜好きなお店が無くなるのは寂しいでしょうが、
思い出は無くなりませんからね！ ＞　→　すてきな言葉ですね。その通りだわ。

▲cocoさん、大阪は緊急事態宣言が解除されましたね。それでも、ぱっと闇が晴れという状態とは違うから、恐々、出かけるようになるでしょうね。
シェフ長尾さんは、40年以上、お店をなさり、第一線でご活躍だったので、悠々自適の生活もなさりたいかもしれませんね。
新鮮な魚介を調達するために、神奈川県にお店を移転なさったほど、素材にこだわりを持っていらっしゃるので、冒頭の白いかと帆立のタルタル、人参の煎り酒ソースと混ぜて食べると抜群でした。つねにお誕生日ケーキを用意しておくわけにもいかないから、このプレートと苺、細長キャンドルで、さくっと雰囲気を出す、いい雰囲気だなと思いました。

▲Inatimyさん、お察しの通り、私は大雑把で忘れっぽいのですが、ｙさんは、飲んでも、ちょっと饒舌になるくらいできちんとしてます。だから、私の話も覚えてる。最近では、「この前話した、、のことだけど、覚えてる？」とか「ねーさん、覚えてないと思うけど、、」って確認されてます。
やだわ、、これじゃ、私、認知症の始まり。
この苺、2段目以降は切れ目を入れて、キャンドルに差し込んでいるんですよね。私もマネしてみよう。
＜白いお皿の中に、一枚、柄物が入るのもハッと目を引きます。＞
→　あ、ほんとね。食べてる時は気がつかなかったけど、その通りだわ。
前に行った時の写真でもそう。こういう所にも細かい心遣いがあるのね。
by TaekoLovesParis (2020-05-24 15:38) 

nice&コメントありがとうございます。
▲ぼんぼちさん、たくさん召し上がれないのは残念ですね。
私も昔ほどは食べられないのですが、それでも、普通にコースはいけます。
でも、ぼんぼちさん、飲む方はいけますよね。

▲やまびこ３さん、一皿め、日本酒にもあいそうですね。煎り酒は、日本酒にかつおだし（昆布だし）、梅干しを入れて煮て作る調味料で、江戸時代からの醤油より古い調味料なんだそうです。だから、魚介にも合うやさしい和のテイストなんでしょうね。こういう新しいものとの出会いは楽しいです。

▲yk2さん、シモン・ビーズは拠点がサヴィニー・レ・ボーヌですものね。
私もこの記事を書く時に調べたら、これは亡きパトリック氏が作ったワインとか千砂さんの話が出て来て、千砂さんのドラマティックな人生に驚き、立派だなと感心しました。映画「ブルゴーニュで会いましょう」の上を行ってますね。BSは再放送が多いので、「世界で一番美しい瞬間（とき）」、調べたけれど、当面、予定がなさそうです。いつか、やるかもしれませんね。

▲ナツパパさん、そうなんですよ。マリアージュとよばれ、結婚にたとえられるワインとお料理の組み合わせ、相性ですかね。ワインに詳しい友達がいると助かります。ダメな者どうしで行ったときは、ソムリエさん任せです。

▲mozさん、キムタク主演のグランメゾンですね。私も見てました。
日本初の女性シェフですから、40年以上お店を続けてきて、NHKの料理番組にも出演、著書もありと、キャリアのあるかたですから引退という形でしょうか。でもね、バリバリははずなのに育ちの良さが表れていて、謙虚で上品なかた。お料理も品よくアートしてるでしょ。
2本だと、赤と白、両方飲めていいです。飲んでるのは主にｙで私は、、と言いたいけど、互角に飲んでます。


by TaekoLovesParis (2020-05-24 16:48) 

taekoさん、こんばんは＾＾
緊急事態宣言の解除少しホッとされたでしょうか。
元通りの生活にはひょっとしたら数年かかるかもしれませんが、ストレス溜めず美味しいものたくさん召し上がって見せてください♪
お庭に咲いたタチツボスミレ、来春に拝見できること楽しみにしています♪
by よしころん (2020-05-26 20:54) 

よしころんさん、＜緊急事態宣言の解除少しホッとされたでしょうか。＞
→　長くたちこめていた霧が晴れたけど、まだ雲り空といった感じです。
「都民の皆様、気のゆるみは、、」と警告されているので、ぱっと行きましょうとは、行かず、恐る恐る歩みだしています。
今週末から営業の飲食店が多く、馴染みの店からは、「来て下さいね」と電話がありました。
タチツボスミレ、来年はよしころんの花写真と見比べて、なにタチツボスミレなのか、調べるのが楽しみです。
by TaekoLovesParis (2020-05-28 00:56)