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サムソンとデリラ(二期会) [オペラ、コンサート、バレエ]

渋谷・東急bunkamuraのオーチャードホールへオペラ「サムソンとデリラ」を
見に行った。セミステージ形式で、舞台の上にはオーケストラ。その後方、天井から
吊られた橋の上に20人のコーラス。プロジェクションマッピングのように映像を
写して場面を展開させる。大道具・小道具なし。
SamsonThirashi.jpg


「サムソンとデリラ」は、旧約聖書に出てくる怪力サムソンの話で、サンサーンス作曲。
サムソンは神から怪力を与えられたヘブライ人のリーダーだが、敵対するペリシテ人の
デリラの誘惑に負け、デリラの家に入り、自分の弱点は髪の毛であると教えてしまう。
たちまち、サムソンは、隠れていた兵士たちに捕えられ、髪を切られ、目をくり抜かれる。
力を失い、盲目になったサムソンは、神殿で神に許しを乞い、「ほんの一瞬でいいから
復讐のために私に力を返してください」と柱を叩く。
すると、柱が崩れ、神殿が壊れる。ペリシテ人が悲痛な叫びをあげ、幕。


上演機会が少ないので、このオペラを見るのは初めてだが、デリラ(メゾ・ソプラノ)
が歌うアリア「あなたの声に私の心は開く」が有名で、何十回もきいているので、ぜひ、
オペラを見たいと思っていた。

主役サムソンを(テノール)を歌う福井敬が、感情をこめて歌い素晴らしかった。
2幕で、デリラを愛してはいけないのに、、の情熱と3幕で神に許しを乞う反省、
叫び、切々とした表現が心に響いた。デリラの池田香織を聞くのは初めてだったが、
慶応の法学部卒で二期会の研修生から歌を始めたという経歴。メゾの厚みのある声が
心地よいし歌も上手い。誘惑をする役だから、妖艶さがあったら完璧なんだけど。
大司祭はバリトンの小森輝彦、老ヘブライ人はバスの妻屋秀和。アビメレクがジョンハオ。


出だしは合唱。オラトリオふう。宗教曲のような荘厳さで、映し出される映像が
古代エジプトの石碑、象形文字。物語の時代へいざなわれる。
映像は誘惑の場面では、クリムトの「接吻」、「生と死」が、劇的な場面では、激しく
動く雲が、雷が、と象徴的に効果的に使われていた。



[揺れるハート]音楽が良かった! 歌、合唱、東フィル、指揮、どれもすばらしく感動。
指揮は若いフランス人、マキシム・パスカル、細い体全部を使っての熱演。
「コロナ禍だから、ブラボーは聞こえなかったけど、良かったわねー」と、
同行の歌姫と言いながら、夜の公演だったので、急いで家路についた。



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tomi_tomi

サムソンとデリラはニュートンファミリーの歌の題名と思ってました!(MPプレイヤーにも曲入れてます)旧約聖書の話だったのですね、勉強になりました^^
by tomi_tomi (2021-01-16 01:44) 

TaekoLovesParis

ニュートンファミリーを知らなったので、Youtubeで聴いてみました。ディスコサウンドでアバに似ていますね。ディスコ全盛の元気が良かった時代が懐かしいです。ハンガリーのグループなんですね。
オペラでも、デリラでなく、ライラと聞こえました。
by TaekoLovesParis (2021-01-16 09:42) 

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