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マン・レイ展 [展覧会(絵以外)]

千葉県佐倉市の「DIC川村記念美術館」へ「マン・レイ展」を見に行った。
「どこかドライブに行きたいわ。千葉の車じゃないと行きにくい美術館は?」
M子さんの車で美術館へ。高速の佐倉で降りたら恵比寿から1時間ちょいで着いた。
DIC(旧大日本インキ)の研究所がある広大な土地なので、緑が多く気持ちが良い。

ManRayEntrance.jpg


ManRay_panf.jpg

開催中の企画展は「マン・レイ」展。
メトロノームの針に、こちらを見つめる目がついて面白い。

マン・レイは、1890年にアメリカ・フィラデルフィアに生まれ、30才でパリに行き、
50才まで過ごし、またアメリカに戻った。
絵画、写真、映画も制作したが、あっと驚く発想のオブジェ作品の数々が有名。
この展覧会では、オブジェと写真に的を絞って展示をしている。

チラシの裏側の作品を紹介。
セルフ・ポートレイト(ソラリゼーション)。1932年。
下は、「二人」1914年。24才の作品。ピカソっぽさがある。
この頃は絵画一筋の画家だった。キュビズムの時代の影響をうけている。
manray1.jpg

「現代アートの父」とよばれるマルセル・デュシャンがニューヨークで個展をし、
さらにそこに住むようになった。マン・レイは彼を信奉し、彼の影響を受けた。
デュシャンは、天井から雪かきスコップを吊り下げ、作品「レディメイド」と
発表し、話題になり、さらに便器を展示して「泉」と称した。
デュシャンの影響大の作品が、下の図、03「ニューヨーク17」1917年。
傾いた摩天楼を万力で留めたもの。摩天楼はステンレスパイプ製。

ManRay2.jpg


代表作と言われているのは、02「贈り物」Gift 1921年。
アイロンに釘を打ったもの。

06「アングルのヴァイオリン」1924年 
パリ時代の写真作品。アングルの絵画「ヴァルパンソンの浴女」を真似て、
恋人「モンパルナスのキキ」をモデルに撮影した写真に、この一筆書き。
ヴァイオリンに仕立ててしまう凄さ。写真を再撮影している。

マン・レイは同じタイトルで、少しづつ違った作品をいくつも制作している。
だから、アイロンに釘の「Gift」や「NewYork17」もそれぞれ複数ある。


01「ミスターナイフとミスフォーク」1944年
これ、どうやってもナイフで切れない、フォークでさせない、スプーンが必要。
笑いながら見れて面白かった。
鑑賞後はランチ。隣の建物のイタリアン・レストランへ。
以前に来た時、おいしかったので、今回もランチは、ここと決めていた。

千葉県素材の前菜、きれい!
温前菜:アオリイカのボイル、バジル、トマトソース添え。
パスタ:ボロネーゼ、ナスとツナのトマトソース。
主菜:千葉の漁港でとれた鯛のソテー。小松菜。ソースはマッシュルームのぺースト。
デザート:モンブランふう紫いものタルト

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食後は、常設展を見たあと、庭の散歩。噴水のある大きな池があり、芝生の手入れが
行き届いている。
ManRayGarden.jpg

この目立つオブジェは、清水九兵衛の「朱甲面」1988年。
九兵衛は、清水家の養嗣子となり清水六兵衛を名乗り、陶芸を継ぐが、
東京芸大で彫刻を学んだ経歴と建築への興味から、陶芸を捨て、彫刻家となった。
京都平安神宮の鳥居の朱色を使った野外彫刻を多く残している。

ManRayKiyomizu.jpg


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コメント 12

coco030705

こんばんは。
マン・レイ展、楽しいです。発想の豊かさに感心しますね。
こういう展覧会は、リラックスできていいですね。脳の休暇にもなるかも。

ランチもおいしそうです。だいたい前菜をみたら、いい店かどうかわかると思います。このお店も前菜に色々な食材を使って、手を抜いていない感じです。いいコースですね。
by coco030705 (2022-10-26 20:59) 

TaekoLovesParis

cocoさん、そうなんです。この展覧会、楽しいんですよ。だから、友達と一緒に行って、あれこれ言いながら見てよかったです。レストランは、美術館の自慢で、美術館にはいらずとも、散歩と食事に来てくださいとのことでした。窓から見える庭が緑いっぱいで、整備され、すてきな空間です。野外彫刻も4つあります。
by TaekoLovesParis (2022-10-28 11:43) 

Inatimy

マン・レイのオブジェ展、オブジェに焦点を当てて限定してあるのは見やすいかも。
メトロノームについてる目は、マン・レイの目なのかしら。
代表作が「贈り物」とのこと・・・アイロンに鋲・・・なんで?って思います^^;。
実際に贈り物でオブジェとしてもらっても困るなぁ。
そんな人との感覚の違いを味わえるのも展覧会の面白さですよね。
by Inatimy (2022-10-28 20:20) 

ふにゃいの

GIFTでアイロンに釘…
これはどういう解釈がされているのだろうか。
面白いし謎。
DIC川村記念美術館、ドライブがてら自然も堪能できていいところですね。
グラフィック関連の会社だから美術館経営も
自然な流れ的でいいです。

by ふにゃいの (2022-10-28 22:50) 

yk2

taekoねーさんは川村美術館へ行くたび、池の写るアングルで庭の写真を撮影されてupなさいますが、毎回毎回素晴らしいお天気で緑が綺麗。絶好のラウンド日和(?)だな、って思うのがお約束(^^;。ティーグランドから左がフェアウェイ、右はコースに沿って池ってレイアウトのショートホールを臨む構図、かな(笑)。
by yk2 (2022-10-29 12:38) 

ぼんぼちぼちぼち

おっ!マン・レイ展!、、、佐倉でやすか、、、残念ながらとおくて行けやせんが。
氏の映画作品「理性への回帰」大好きでやす。
記事にもつけておられる、女性の身体をヴァイオリンに見立てた写真は、とても有名でやすね!
by ぼんぼちぼちぼち (2022-10-29 18:03) 

おと

佐倉に、こんな美術館があるんですね!
緑が多くてほんと気持ち良さそう、良い所ですね^^
食事もとっても美味しそう。ちょっと遠いけれど、いつか行ってみたいです。
by おと (2022-10-30 14:28) 

moz

マン・レイに行かれたんですね。
しばらく、シュルレアリスムの作品たちを見ていません。興味津々です。
既存のものに少しの手を加えて違うものにしてしまう?
発想自体がアートですね。^^
ヴァイオリンの形、良くは分かりませんが、そもそもが女性の背中をかたどったもの? それもちょっと気になりました。 ^^; 笑
アートを楽しんだ後のランチも流石です ^^v
千葉の漁港でとれた鯛のソテーね美味しそうです。頂いてみたいです。 ^^;
by moz (2022-10-31 08:55) 

krause

早速行ってみます。
ここのレストランもお勧めです。
by krause (2022-11-01 08:10) 

TaekoLovesParis

mozさん、<既存のものに少しの手を加えて違うものにしてしまう> →
その通りなんですよ。だから「レディメイド」作品と言われてます。
女性の写真もたくさん撮っていて、眉、目鼻の部分だけを切り取り水滴をおいた「涙」という作品。写真の技術にも詳しかったようで、ソラリゼーションのなどいろいろな手法を試してました。
アングルの絵を見て、腰のカーブからヴァイオリンの形を連想するところが素晴らしいです。背骨を弦が張られてる部分に見立てたのでしょう。

千葉に「鯛の浦」という鯛が集まる場所があるから、鯛がよくとれるのでしょう。焼き具合が良く身がぷりっとして美味しかったです。
by TaekoLovesParis (2022-11-03 01:12) 

TaekoLovesParis

nice&コメントありがとうございます。
▲Inatimyさん、私も友達と、「自分の眼?」と自分撮り写真の目と見比べたら、違ってました。説明に、「愛人の写真の切り抜き」と書いてありました。もう一つあって、それは、別の女性の目の写真でした。マン・レイが見られてるんですね。
アイロン、そうですよね。贈り物と言われても、何に使う?やはりオブジェとしてみるしかないのかな。こういう展覧会は、友達と、あれこれ言いながら見ると楽しいです。

▲ふにゃいのさん、釘つきアイロンだけど、作品名は「贈り物」。マンレイの実家がクリーニング屋さんだったので、アイロンが身近だったといえ、なぜ釘?ですよね。
DIC 、昔は大日本インキという名前の会社。少しだけ株を持ってるので、毎年、美術館チケットとカレンダーが送られてきます。印刷技術でとても綺麗な発色のカレンダーです。

▲yk2さん、そういえば以前の川村美術館「マティスとボナール」展の時もコメントで、私の打ったボールは柵越えOBとからかわれたのを思い出しました(苦笑)。池があって起伏があり、芝生、まわりは緑とまさにゴルフ場。まだまわったことがないけれど、外周2kmくらいの散策路があって、入り口付近では、秋の七草が勢ぞろいでした。

▲ぼんぼちさん、やはり、よくご存じでしたね。お好きでしたか。映画も撮ったと書いてありましたが、私はタイトルをきくのも初めてでした。
「アングルのヴァイオリン」、アングルはヴァイオリンの名手だったのか、いや、下手の横好きとか言われてますね。

▲おとさん、車があればぴょ~んと。京成の佐倉駅からは遠いのだそうです。
遠くても、行く価値あります。美術館、レストラン、お庭や散策路、一日楽しく過ごせます。常設もルノワール、レンブラントのような古典と筋が通った20世紀美術と見応えあるものが多いです。
by TaekoLovesParis (2022-11-03 10:27) 

TaekoLovesParis

krauseさん、佐倉は北総でしたね。レストランは千葉の素材を使ってるそうなので、krauseさんのご近所の畑のものかもしれませんね。
「マン・レイ展」は、楽しいので、おすすめです。
by TaekoLovesParis (2022-11-03 10:28) 

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